2017.10.27 日新火災 事業者向け「ビジネスプロパティ」に神社仏閣プランを新設

 日新火災は今月から、事業者向け火災保険「ビジネスプロパティ(企業財産総合保険)」に、神社仏閣特有のリスクを補償する「神社仏閣プラン」を新設し、販売を開始した。神社や寺院は、「特殊な技術が多用されている」「建築後の年数が経過している」等の理由で、建物の評価が難しく、適切な評価額で火災保険を契約することが困難なケースが少なくない。同社では、専門の鑑定人が寺社の建築物を無料で評価する「物件調査サービス」(注)を提供しているが、寺社関係者のニーズにさらに応えていくため、新プランの開発に至ったとしている。

 「神社仏閣プラン」は、「ビジネスプロパティ」に「神社仏閣特約」をセットしたプランで、ビジネスプロパティは、火災、風災等の自然災害による財産損害リスクに関する補償と参拝者や近隣住民に対する賠償責任リスクに関する補償等を自由に選択することができる。
 神社仏閣特約部分で風災等により敷地内の立木竹が倒木や幹折れした場合に、その立木竹の取片付け清掃費用、搬出費用を補償。屋外に保管しているさい銭に生じた盗難も補償する。
 また、同社ではこのほど、「神社仏閣プラン」の発売を記念して、公益財団法人京都古文化保存協会に消火器265本を寄贈することを決定。貴重な文化財を火災の被害から守ることを目的としたもので、同協会への寄贈は、1966年、2009年に続いて、3回目となる。
 10月4日に、京都市北区の賀茂別雷(かもわけいかづち)神社(上賀茂神社)で贈呈式が行われ、村島雅人社長が、同協会理事長で上賀茂神社宮司の田中安比呂氏に目録を手渡した。それに対し、同協会からは、文化財保護への理解と厚意に謝意を表す感謝状が贈られた。寄贈した消火器は、伏見稲荷大社や清水寺をはじめとする京都府下の寺社等106カ所へ順次配置される予定。
 日新火災では、保険会社という立場から、神社や寺院関係者の役に立てることはないか、以前から検討を重ねてきた。今回、神社仏閣特有のリスクを補償する商品の開発が実現したこととともに、09年に創立100周年を記念して寄贈した消火器の使用期限が近づいていることもあり、「新商品の発売記念」という形での寄贈となった。
 同社では今後も、顧客を守る新商品の提供やさまざまな活動を通じて、地域・社会へ貢献していくとしている。
 (注)日新火災の子会社ユニバーサルリスクソリューションの鑑定人が寺社の建築物等を評価するサービス。