2017.10.24 東京海上日動 女性PTが自転車保険パンフレット作成、「オレンジページ」掲載記事を活用

 東京海上日動はこのほど、自動車保険関連部署に所属する女性社員数名のプロジェクトチームで、自動車保険の自転車保険特約「サイクルパッケージ」の女性向けパンフレットを作成した。生活情報誌「オレンジページ」に掲載された同社の記事の抜き刷りを活用したもので、保険になじみのない女性でも手に取って読みたくなるように、デザインや色使い、コンテンツなどで「女性目線」による工夫を加えた。今回の企画の経緯や目的などについて、作成に携わった個人商品業務部自動車グループの三反崎幸恵課長代理と田中あすみ副主任に聞いた。

 同社では、自動車保険の商品開発部門である個人商品業務部自動車グループと企業・個人・ディーラー各チャネルの営業開発部、それに各営業部を統括する営業企画部等で、自動車保険の推進をテーマにした定例会議を行っている。その中で、従来の顧客層ではない消費者にも自動車保険に関心を持ってもらう方法を検討した結果、保険に対して苦手意識を持っていると思われる女性層をターゲットに営業展開していく案がまとまり、各部署の女性社員が集まって営業ツールを作成するプロジェクトが始まった。
 各部署1~2人ずつから成るプロジェクトチームでは、買い物や小さな子どもの送り迎えなどで女性が使う機会も多い自転車の補償に注目し、2017年4月に発売した「サイクルパッケージ」の女性向けパンフレットの作成を思い付いた。サイクルパッケージは、自動車保険の特約として提供する自転車事故をトータルで補償するプランで、事故の相手方への賠償(個人賠償責任補償)と自転車の事故による自分や家族のけがを補償する。新たに作るパンフレットでは、自転車事故に対する不安と、サイクルパッケージに加入することで得られる安心について、分かりやすく紹介することになった。
 具体的なパンフレットのコンテンツについては、30~40代の女性読者が多い生活情報誌「オレンジページ」に記事広告を掲載し、そのページの抜き刷りを募集用パンフレットに活用するアイデアを考案。同社の広報部を通じて出版社に掲載を依頼した。
 掲載時期が決定した6月から、プロジェクトチームで具体的な誌面構成について話し合った。今回の企画のポイントは、主婦層を中心とした女性が読みたくなるようなパンフレットであることから、女性誌のページらしい文字や色使い、デザインを採用した他、ニーズ喚起するための高額賠償が生じた重大事故例や、女性にとって難しいと思われがちな保険商品の内容を身近で分かりやすいと思ってもらえるよう工夫したコンテンツを盛り込んだ。また、営業開発部のメンバーのアイデアにより、主婦などが手に取ったパンフレットをそのまま家に持ち帰ってもらえるように、簡単でおいしく調理できる晩ご飯のレシピも加えられた。
 一方で、雑誌のページをそのままパンフレットに活用することから、募集帳票としての体裁にも気を配らなければならなかった。プロジェクトチームの取りまとめを行っていた田中副主任は、「雑誌のページとして違和感がなく、自転車の事故に対する不安を感じている女性に向けて訴求する内容であることと、募集帳票として記載しなければならない情報との間でバランスを保つことが大変だった」と、誌面作成当時の苦労について振り返る。
 出版社の編集者と打ち合わせしつつ、文章の執筆や校正、デザインの検討、修正などを経て、8月発行の同誌9月号に記事が掲載された。8月中に刷り上がったパンフレットについても、「これまでのパンフレットとは見栄えが違う」「女性のお客さまに手渡したい」など、社内で好評だという。
 パンフレットは今後、各営業拠点からの請求数に応じて増刷を考えていくという。三反崎課長代理は「今回は、女性のお客さまをターゲットとし、女性社員のみでアイデアを出し合うといった、当社にこれまでなかったプロセスで新しいパンフレットを作成することができた。今後、見栄えや使い勝手などについてヒアリングも行いながら改善などを検討していきたい」としている。