2017.10.23 あいおいニッセイ同和損保 サイバー保険室を設置、新商品開発や引受体制強化
あいおいニッセイ同和損保は9月1日、サイバーリスクに関する保険への対応強化として、企業商品部内に、新商品開発と各企業のリスク状況に即した引き受けを担う「サイバー保険室」を設置した。同社では、サイバーリスク関連保険の開発から引き受け、関連情報の発信などの対応を一元化することで、迅速な商品提供等を行うことが可能になるとしている。
あいおいニッセイ同和損保では、ICTの発展やサイバー攻撃の増加などにより多様化するリスクに対応するため、新たな商品開発を進めるとともに、各企業のニーズやリスク・サイバーセキュリティー対策の実態を踏まえた、オーダーメード型のサイバー関連保険の引き受けを強化する。サイバーセキュリティーサービスや、モノがインターネットにつながるIoT製品等に付随する固有のリスクに対応した商品付帯型保険の展開を進めていく。
また、10月1日には、デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社の改ざん瞬間検知・瞬間復旧ソリューション「WebARGUS」(ウェブアルゴス)に、同社の「サイバーセキュリティ保険」とAOSリーガルテック社のデータ復旧サービスをセットした「WebARGUS安心パック」が発売された。
同製品の導入サーバーにおける監視対象ファイルまたはディレクトリの改ざんに起因する、①他人の情報の漏えいまたはその恐れ②マルウエア感染による他人の業務の阻害―について、保険期間中に被保険者に損害賠償請求がなされたことで、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等の損害に対して、保険金を支払う。
「WebARGUS安心パック」にセットされる「サイバーセキュリティ保険」は、支払限度額1億円(保険期間中につき)で、免責金額はなし。保険期間は利用開始日から1年間(同製品が更新された場合は更新日から1年間)となっている。
近年、大規模な情報漏えい事件が多発し、5月にはランサムウエア「ワナクライ」(注)による世界同時サイバー攻撃が行われるなど、企業を取り巻くサイバーリスクの脅威は急激に高まっている。リスクの性質も多様化しており、サイバーリスクに対応する保険に求められる補償ニーズも広がりを見せている。
こうした情勢を反映し、あいおいニッセイ同和損保の提供する「情報漏えい賠償責任保険」「IT業務賠償責任保険」などのサイバーリスク関連保険は、年率10%強と高い伸びを示しており、特に補償内容が最も充実している「サイバーセキュリティ保険」の販売件数は、急増しているという。
同社では、サイバーリスクへの対応を進める企業のニーズに即した商品開発や引き受けを進めていくとしている。
(注)感染したパソコンのファイルを暗号化したりシステムへのアクセスを制限することで使用不能にし、その解除と引き換えに身代金を要求するランサムウエア(身代金要求型不正プログラム)。