2017.09.25 かんぽ生命 医療特約や低解約返戻金型など、10月に3商品発売
かんぽ生命は10月2日、解約返戻金を低く抑えることで保険料の低廉化を実現した3商品を発売する。「医療特約 その日からプラス」「新ながいきくん 低解約返戻金プラン」「長寿のしあわせ」の三つ。医療技術の進歩による入院日数の短期化や外来手術の増加、低金利環境の継続、長寿化の進展などの環境の変化と顧客ニーズを踏まえ、医療保障の充実や高齢期における生活資金の準備手段を提供する。9月15日に開かれた新商品説明会で、同社商品開発部担当部長の小谷正貴氏は、安定志向の郵便局の顧客だけでなく、幅広い顧客層に訴求できる商品だと説明した。
説明会で同氏は、3商品の開発について、社会環境や経済環境等の変化と顧客ニーズの変化に対応したものと説明。「低解約やトンチンの仕組みを導入することで、お客さまが求めやすい保険料水準を実現した」とし、3商品の投入で計画通りの営業水準を確保していきたいと期待を示した。
医療技術の進歩などから入院日数は短くなっているものの、入院に際しては初期費用がかかることから、入院1日目に入院保険金日額の5日分を上乗せして支払うという「医療特約 その日からプラス」(けがに特化した「無配当傷害医療特約」と病気とけがの「無配当総合医療特約」の2タイプ)。入院中の手術はもちろん、外来手術(放射線治療含む)を保障する。また、終身保険を基本契約に同特約を付加した場合は「解約返戻金低減型」か、月々の保険料を従来の半分程度に抑えた「無解約返戻金型」を選択でき、保険料低廉化に成功した。充実の保障と保険料を抑えることで、幅広い顧客層へ提案していく。
「新ながいきくん 低解約返戻金プラン」は、普通終身保険(定額型、2倍型および5倍型)および特別終身保険について解約返戻金を低くし、保険料負担を抑えた商品。解約返戻金を低くすることで現在の低金利環境下でも従来に比べ返戻率が高くなる。また、同商品に前述の特約「無解約返戻金型」を付加することで、保険料をさらに抑えられる。例えば、基本契約および特約の基準保険金額300万円で40歳男性が60歳払込済の場合、従来商品だと月額1万9320円だったが、同商品に無解約返戻金型の特約を付加すると月額1万5990円となる。
長寿支援保険(低解約返戻金型)「長寿のしあわせ」は、いわゆるトンチンの仕組みを導入した保険で、基本契約は50歳から70歳まで加入でき、告知は必要ない。年金額の範囲は10~90万円、払込期間は10~30年。年金受け取り開始前の返戻金を抑えて年金原資を大きくした。年金受取期間は最大30年、終身とはせず99歳までで、年金額90万円、年金受取総額2700万円、加入年齢50歳(男性)、年金開始年齢65歳の場合、払込保険料総額は、2211万3000円で全額受け取った場合の返戻率は122.1%となる。一方で、保証期間を20年としたことで、早期死亡者の戻り率も確保した。20年という保証期間について同氏は、「郵便局のお客さまは安全志向の方が多い」とし、他社との差別化を図ったと説明した。