2017.08.24 3メガ損保 17年度第1四半期決算、全グループで経常収益増

 損保大手3グループがこのほど発表した2017年度第1四半期決算によると、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)とSOMPOホールディングスが増益を確保した。MS&ADHDの連結経常利益は国内損保・国内生保の増益で、前年同期比153.1%増益して1245億円、四半期純利益も同140.9%増益の916億円となった。SOMPOHDは連結経常利益が国内損保事業の増益を主因に同55億円増益の369億円で、連結純利益も同70億円増益の270億円だった。東京海上ホールディングスは海外保険会社で増益となったものの、国内における有価証券売却益の減少や東京海上日動の金融派生商品損益の減少等で連結経常利益が同3.4%減の1236億円、四半期純利益は同9.4%減の881億円と減益になった。

 MS&ADHDは連結経常収益が同7.2%増の1兆4809億円で、損保の正味収入保険料は、海外保険子会社で円高により減収となったものの、火災保険や自賠責保険などの増収で同1.2%増収の9552億円となった。
 国内損保事業の主要2社の業績をみると、保険引受利益は三井住友海上が同161億円増益の320億円、あいおいニッセイ同和損保が同71億円増益の159億円で、2社合計は同232億円増益の479億円だった。
 正味収入保険料は、火災保険と自賠責保険の増収を主因に、2社合計で260億円増収の6892億円となった。三井住友海上は同143億円増収の3770億円、あいおいニッセイ同和損保は同117億円増収の3122億円だった。
 SOMPOHDの連結経常収益は同19.3%増の1兆145億円に達し、このうち正味収入保険料は同18.8%増の7777億円となった。
 国内損保事業のうち損保ジャパン日本興亜では、国内自然災害の減少を主な要因として、保険引受利益は同49億円増益の176億円。保険引受利益から異常危険準備金に係る影響を除いたコア保険引受利益は、同33億円増加した。正味収入保険料は同99億円増の5597億円だった。
 東京海上HDは連結経常収益が同1.5%増の1兆3996億円で、正味収入保険料は同2.8%増の9193億円となった。国内損保事業と海外保険会社での引き受け拡大で増収した。
 国内損保事業では東京海上日動の保険引受利益が同18億円減益の345億円となった。正味収入保険料で自動車保険の件数増加を主因とする増収などがあったものの、期初からの円高幅が縮小したことに伴う外貨建支払備金積増負担の増加、契約規模の拡大に加え、火災保険における大口事故の増加等によって前年同期実績を下回った。正味収入保険料合計は同3.8%増の5515億円と前年同期実績を上回った。