2017.08.08 富国生命 「重点開拓10職団」堅調、職域団体での業績伸展

 富国生命は昨年度、新・医療保険「医療大臣プレミアエイト」を発売したことなどが奏功し、2016年度個人保険の営業成績が前年度比約110%となり、個人保険年度計画を完成した。中でも、職域団体(職団)での契約は、件数が同112%、営業成績ベースでは同107%となり、職域基盤からの成果も年度計画完成に大きく貢献した。営業職員教育と、特約組立型総合保険「未来のとびら」を軸とする主力商品が実績をけん引しており、同社では「さらなる新規開拓と深耕開拓」を目指していく方針だ。

 同社の職域団体は、官公庁が中心という大きな特徴がある。
 特に「重点開拓10職団」と位置付けるのが都道府県庁等の10業種(職団)で、地区や職域でのキャンペーンを春(5、6月)と秋(9、10、11月)に実施する他、創作漢字検定コンテストへの協賛、ライフプランセミナー開催などで顧客接点を強化している。昨年度は重点開拓10職団のうち半数以上で業績が伸展した。
 営業職員向けには、全国の全11ブロックで職域限定の研修会を年1回程度実施し、また支社が推薦する営業職員を講師とした「職団ごとに特化した研修会」も開催している。
 さらに、11年に稼働させた「職団台帳システム」を活用することにより、新規基盤の重複を避けると同時に、半期ごとの担当者の見直しも実施しており、効率的な配置を行っている。
 また同社では、中期経営計画(16~18年度)の目標の一つに「職団数の純増」を掲げている。現在、職団はA職団(23人以上で団体割引と給与天引きあり)とB職団(10人以上で給与天引きあり)があり、両方で約4000団体ある。
 今後、A・Bの合計数を増やしていく計画で、業務部職域開発グループの野崎保則課長は「退職などにより職団の要件を維持できない団体もあり、近年職団数が減少傾向にある。そのため職団の設置をさらに推進している」と話す。
 一方、全国の支社では、営業所配属後から速やかに「職団」で活動するという営業職員の意識が定着しており、支社独自の教育も進んでいる。商品面では、同社の主軸で職団での売れ筋商品でもある「未来のとびら」が、特約を自在に組み合わせることで、ニーズに合った設計ができると好評だ。
 野崎課長は、「新入社員など若年層の抱く将来像が多様化しており、時代とともに結婚観も変わっている。営業職員チャネルで本格的に取り組み始めた独自のコンサルティングツールである『ライフコンパス』を活用したコンサルティング営業が定着しつつあり、順調に加入増加につながっているため、今後も職域団体の新規開拓と既存団体への丁寧な対応で職団数をさらに拡大していきたい」と意欲を見せている。
 同社では、営業職員の陣容も回復基調にあり、着実な職域団体活動で顧客接点を拡大していく方針だ。