2017.07.03 ミュンヘン再保険日本支店 損害再保険業務を開始、市場へのコミット強化目指す

 ミュンヘン再保険は7月1日から、日本支店での損害再保険業務を開始した。同社は生命再保険業務については2010年に金融庁より免許を取得しているが、損害再保険が加わることで生損保の両輪がそろうことになる。これにより、名称も「ミュンヘン再保険会社日本支店(生命再保険)」から「ミュンヘン再保険会社日本支店」に変更される。

 同社日本支店は、損害再保険業務の開始に伴って、陣容も拡大。10人のスタッフを新たに迎えて、生損保分野合わせて約50人の体制でスタートする。これまで損保分野を担当してきたミューニックリージャパンサービスはミュンヘン本社のサポートという位置付けだったため、最終決定権は常にミュンヘン本社にあったが、今回の免許取得により、引受権限や支払権限が備わり、日本での機動的な意思決定が可能となった。
 また、人員の増強により顧客接点を増やすことで、今まで以上に顧客ニーズを的確に把握した上で、きめ細かなサービスが提供できるようになるという。
 同社では、アジア太平洋市場のダイナミックな伸展に歩調を合わせるための戦略体制の改組を16年9月に発表しており、日本支店の強化もその一環として行われたもの。日本の他にも、シンガポールと北京の事務所を拡充している。
 シンガポールのリージョナル・センターは、今後東南アジアの各顧客向けサービスを提供すると同時に、インド、日本、韓国における事業展開を後方支援する。一方で、東南アジアにおける事業合理化策の一環として、クアラルンプールでの損害保険種目の引受は停止した。また、中国の顧客は基本的には北京から対応することとし、香港の機能は大幅に縮小。上海の損害保険事務所は全面的に閉鎖するとしている。同社はアジアでの体制強化の目的について、各ローカル・マーケットにこれまで以上に焦点を当てると同時に、より柔軟な体制を構築するためとしている。
 改組に当たり、新たに日本支店CEOに秦泉寺大興氏が就任した。同社にとって初の日本人のCEOである同氏には、保険会社での豊富な経験を生かした采配が期待される。今後の方針について同氏は「長期的、安定的に再保険キャパシティーを提供するという使命はこれまでと変わらない。組織が変わって良かったと言ってもらえるよう、スタッフ一丸となって業務にまい進していく」と展望する。