2017.06.30 三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保 テレマティクスで高齢ドライバー支援、「見守るクルマの保険」開発

 三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は6月27日、「高齢者の安全運転をサポートし、運転状況を見守る」をコンセプトとした新しい自動車保険を共同開発し、2017年度中に販売開始することを明らかにした。近年、高齢化の進展に伴って高齢者の重大事故が増加。高齢者単独世帯も増える傾向にある中、最新のテレマティクス技術を活用した先進的な新商品・サービスの提供を通じて、高齢者のカーライフをサポートするとともに、離れて暮らす子ども世代等の家族に、安心を届ける取り組みをスタートする。

 MS&ADインシュアランスグループがこれまで共同で進めてきたテレマティクス技術の研究成果を取り入れ、損保2社で活用する試みで、スマートフォンと運転車両に設置する専用車載器(アプリの自動起動・停止等の機能有)によって、運転状況のデータを保険会社側データサーバー等に送信。そのデータを活用することで、安全運転サポートや高齢者の見守り等のサービスを提供する。
 商品名は、三井住友海上が「GK 見守るクルマの保険」、あいおいニッセイ同和損保が「タフ・見守るクルマの保険」。それぞれの主力商品である「GK」「タフ」をベースに、「見守る」をコンセプトにした名称とした。
 主なサービスは三つ。まず、①「安全運転をサポートするサービス」として、「危険運転時等注意喚起アラート」は、GPS等を活用し、急加減速等の危険運転時や事故多発地点の接近時等に運転者に注意喚起するとともにあらかじめ指定した家族等に検知した状況を知らせるメールを発信する業界初のアラートサービス。このうち、「高速道路逆走事故防止アラート(仮称)」は、実際に逆走事故が発生した高速道路のインターチェンジやサービスエリア等で逆走を検知した場合に、音声で知らせる。また、「指定区域外走行時通知アラート(仮称)」は、日常的に運転する区域を超えた場合の事故発生状況を踏まえて、自宅から半径20キロを超える場合等、あらかじめ指定する区域外を走行した場合に注意喚起を行う。その他、「運転診断レポート」では、急加減速の発生回数等の運転傾向等に加え、危険運転時の注意喚起アラートの配信状況等について、総合的な運転診断結果のウェブレポートを提供する。
 ②「事故緊急自動通報サービス(仮称)」は顧客の事故時の対応をサポートするもので、専用車載器が大きな衝撃を感知すると、自動的にコールセンターへ通知。専任オペレーターがスマートフォンに「安否確認コール」を行い、事故直後の初期対応に必要なアドバイスや、車両のレッカー搬送手配等、事故に遭遇して不安を抱える顧客をサポートする。レッカー手配の完了後には、指定した家族等にメールで状況を連絡する。
 ③「家族等が安全運転を見守るサービス」としては、指定した家族等に、前述のアラート発信時の発生時刻・場所等に関する情報や、定期的に作成される運転診断レポートを自動的にスマートフォンやパソコン等へ通知する。
 この他にも高齢者の安全運転や事故時の対応をサポートするサービス等の開発を予定している。