2017.06.01 フコク生命グループ 2016年度決算、新契約保険料 富国生命単体12%増
フコク生命グループが5月26日に発表した2016年度決算によると、保険料等収入は富国生命の団体保険やフコクしんらい生命の減少で前年対比17.8%減の6487億円となった。基礎利益は同3.5%減少したが、915億円と4年連続で900億円台を確保し、5年連続で個人保険増配を実施する。新契約保険料は第三分野が好調に推移し、富国生命が同12.3%増の263億円だったが、2社合算では同16.3%減の330億円となった。
2社合算の新契約高は富国生命、フコクしんらい生命共に減少し前年対比7.5%減の1兆8519億円となった。解約失効高は同2.6%減と前年度に引き続き改善した。新契約年換算保険料は、フコクしんらい生命が貯蓄性商品を販売休止したことで前年実績を大きく割り込み、2社合算で同16.3%減の330億円となったが、富国生命単体では同12.3%増の263億円だった。これは貯蓄性商品の増加と16年4月に発売した医療保険「医療大臣プレミアエイト」販売好調によるもので、医療保険の新契約年換算保険料は同23.5%増、2社合算の第三分野は同11.1%増加した。解約失効年換算保険料は同7.3%の改善。
保有契約高は、新契約高減少によって前年度末比0.7%減少したが、解約失効高が改善し減少幅は継続的に縮小傾向にある。保有契約年換算保険料は、両社共に増加し、同1.2%増の5819億円。第三分野も富国生命の医療保険が好調なため同1.5%増の1108億円となった。
保険料等収入(合算)は、富国生命の団体保険分野やフコクしんらい生命の減少などで前年対比17.8%減の6487億円となったものの、富国生命の個人保険分野(平準払い)は堅調に推移した。金融機関窓販の収入保険料は、貯蓄性商品の販売休止で大きく減少。定額年金保険の販売休止によって平準払販売件数も減少したが、年金保険以外の平準払い商品の件数は着実に増加しており、商品ポートフォリオの多様化を図るため引き続き定期・医療保険の拡販に注力していく方針。
富国生命単体での資産運用を見ると、夏場にドル建債を中心にオープン外債で積み増し、11月以降はヘッジ付外債を超長期の日本国債へ入れ替えるなど市場環境の変化を捉えた機動的な運用を実践。円金利資産の構成比を7割程度と安全性の高いポートフォリオを構築している。利息及び配当金等収入は前年対比3.7%減となったものの、1409億円と高水準を維持した。2社合算の基礎利益については同3.5%減となったが、4年連続で900億円台を確保し、915億円だった。
ソルベンシー・マージン比率は、連結で前年度末比84.2ポイント低下したが、1257.3%と高い水準を維持した。富国生命単体では1214.8%。11年度募集の基金200億円を償却したが、自己資本の一層の強化を目的に、16年度は永久劣後債500億円を発行し、内部留保を約300億円積み増し、統合的リスク管理(ERM)を着実に推進している。
こうした状況で、個人保険において5年連続で増配を実施。有配当契約の約7割に8億円を増配、12年度からの累計増配額は57億円となる。また、死亡保障契約の増配は18年4月に予定されている標準生命表の改定を踏まえ、その一部を1年前倒しで契約者に還元する。