2017.03.28 JA共済連 17年度事業計画、保障性仕組みの取り組み強化

 JA共済連はこのほど、2017年度のJA共済事業計画(第68年度事業計画)を決定した。JA共済では、16年度から18年度までのJA共済3カ年計画において、「地域に広げる助け合いの心~くらしと営農を支えるJA共済~」をスローガンに掲げ、13年度から15年度の3カ年計画から引き継いだ課題や、農協改革とJAグループの自己改革を踏まえた新たな課題に対応し、JA共済の目指す姿に向かって前進していくための実践事項に取り組んでいる。17年度は、同3カ年計画の中間年度として、16年度の遂行状況などを踏まえた課題への対応を図るため、三つの基本方針を定め、今次3カ年計画の実践に取り組む。
 17年度事業計画における基本方針は、①将来の事業基盤構築に向けた生命共済を中心とする保障性仕組みの取り組み強化②共済事業としての自己改革への取り組み強化③マイナス金利などによる影響を踏まえた健全性の確保―の3点。
 ①では、JAにおける事業推進力の強化に向けて、タブレット型端末機(ラブレッツ)を活用した推進活動の徹底とライフアドバイザーの活動環境の整備・育成強化に取り組む他、JAにおける窓口推進の展開・浸透に向けて、スマイルサポーターの推進面・事務などの窓口対応を強化する。既契約者の保障の継続による安心と満足の提供のため、既加入世帯への全戸訪問と訪問活動と連携した契約保全活動を展開し、これまで以上に組合員との関係性を強化するとともに、事業基盤の維持・拡大を図るため、全組合員訪問・案内活動を通じて接点強化・保障拡充を図る。
 ひと・いえ・くるまの総合保障の実現に向けて、ニーズに即した仕組み改定とラブレッツの提案機能を活用し、組合員・利用者のセグメントごとの保障性仕組みの提案を強化する。
 ②では、連合会は、JAの支店(所)の契約者対応力・現場力のさらなる強化に向けた支援を行う。また、JAの本店(所)の支店(所)への指導力強化のため、普及推進と事務指導が連携した総合的なJA支援を実現する。これらの取り組みに向けて、JA指導・サポート部門職員の知識・スキルの継続的な向上を図るため、研修体系などの見直しを行う。
 JAの地域活性化・農業経営に貢献する取り組みにより地域社会づくりに貢献するため、共済事業の自己改革として、地域貢献活動や農業リスク分野などへの取り組みを通じて後押しする。ペーパーレス・キャッシュレスなどの新たな事務手続きのさらなる定着・促進を図ることにより、申し込み・掛け金収納などに伴う、より一層のJAの事務負荷軽減を実現する。
 ③では、日銀のマイナス金利政策導入による超低金利の環境下、共済資金の特性と運用環境の変化に対応した弾力的な資金配分を実施し、安定的に利息配当収入を獲得するとともに、運用収益の上積みによる収益性の確保を図る。
 契約者・会員還元とのバランスを図るとともに、将来的な事業・収支状況を見通した上で、長期的な視点に立った利差収支の改善、巨大災害リスクなどの事業全般に関わるリスクに備えるため、諸準備金の計画的な造成や再保険の拡充による支払担保力のさらなる確保などに取り組む。また、統合リスク量を用いたリスク管理の定着に向けて、統合リスク管理態勢の整備・高度化に取り組む。
 17年度の共済種類別契約高(新契約高)予定は、▽生命総合共済:保障金額6兆5395億円▽建物更生共済:保障金額15兆4324億円▽医療系共済:件数68万7000件、入院日額41億円▽介護共済:介護共済金額4464億円▽年金共済:年金年額945億円▽自動車共済:件数820万1000件、元受掛金3639億円▽自賠責共済:件数330万9000件、元受掛金802億円―となっている。