2017.03.27 明治安田生命、新たな3カ年プログラム策定、企業価値プラス20%目標
明治安田生命はこのほど、新たな3カ年プログラム「MYイノベーション2020」(2017年4月~20年3月)を策定した。同プログラムでは、今後の経営環境の変化などを踏まえつつ、新たな企業理念「明治安田フィロソフィー」の実現に向けて「イノベーション」(変革・創造)を興すため、「中期経営計画」と「企業ビジョン実現プロジェクト」を推進する。顧客数の飛躍的な拡大を図りつつ、「成長性」「収益性」「健全性」のバランスを取りながら、企業価値(EEV)について16年度見込比で約20%の向上を目指す。
同プログラムでは、顧客志向とコンプライアンスの徹底を前提に、成長戦略・経営基盤戦略・ブランド戦略を推進し、重点方針ごとにイノベーティブな取り組みを織り込むとともに、先端技術などによるさらなるイノベーションの実現を目指すとしている。重点方針は、①顧客数の拡大②新たなマーケットへの取り組み③資産運用の高度化④先端技術などによるイノベーション⑤ガバナンスの高度化⑥ワーク・エンゲージメントの向上⑦新たな企業理念の浸透―の7点。
①では、積極的な商品供給と充実したアフターフォローの提供(新たなサービスの導入を含む)、専属チャネル(アドバイザーなど)の拡充とマーケットアクセスの拡充、ICTの活用などを通じた顧客対応の向上に資する事務サービス基盤の整備などを通じ、顧客数の飛躍的な拡大を図る。
②では、医療・介護をはじめとする第三分野商品の他、高齢者・退職者向け新商品の開発、女性向け商品・サービスの提供、投資型商品のラインアップの拡充を図る。加えて、健康情報などを活用した商品・サービスの研究・開発を進める。海外保険マーケットにおいては、16年3月に完全子会社化したスタンコープ社をはじめとする既存投資先の収益拡大に優先的に取り組みつつ、今後の新規投資に向けて、先進国と新興国の調査・研究を継続する。
③では、市場環境の変化に適応しつつ、ガバナンス態勢・リスク管理の高度化を前提に、国内外のクレジット投融資の強化(国内クレジット:3年間で約8000億円、海外クレジット:3年間で約8000億円)や「サステイナビリティ投融資」(3年間で約5000億円)をはじめとする資産運用手法の高度化・多様化に取り組み、資産運用収益力の強化を図る。また、アセットマネジメント事業の強化に取り組む。
④では、人工知能・ICTなどをはじめとする先端技術・手法の調査・研究・開発を推進し、その成果を基幹業務に活用するとともに、ヘルスケア分野を含む新たなビジネスの創出を目指して検討を進める。
⑤では、情報開示の高度化を含むステークホルダーとのコミュニケーション機会の拡充などを実現するとともに、ERM(統合的リスク管理)に基づく先進的な経営管理の浸透・定着を図る。その際、グループ経営管理態勢の高度化(国際会計基準・国際資本規制への対応を含む)を推進する。
⑥では、ワーク・エンゲージメント(一人一人が誇りとやりがいを感じながら生き生きとチャレンジングに働く状態)を実現するため、人財力の持続的な向上、心身の健康増進、多様性の受容と活躍促進に取り組むとともに、イノベーション推進に資する余力の創出に向けて、働き方を見直す。
⑦では、統一的・効果的なプロモーションを推進することで、新たな企業理念「明治安田フィロソフィー」に沿った企業ブランドを形成していく。特に、企業ビジョンの実現に向けて従業員一人一人が創造力を持って積極的・主体的に行動する風土を醸成するため、社長をリーダーとする「企業ビジョン実現プロジェクト」を推進する。
19年度の主な経営目標値は、▽企業価値(EEV):16年度見込値比プラス20%▽保有契約年換算保険料(個人営業):2兆2250億円▽団体保険保有契約高(法人営業):国内シェア№1▽第三分野新契約年換算保険料(個人営業・法人営業・損保):16年度見込値比プラス40%▽顧客数(アドバイザー等チャネル):700万人▽顧客数(法人営業チャネル):493万人▽資本効率指標(RoEEV):年平均6%程度を安定的に確保▽経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR):160%以上▽オンバランス自己資本:3兆円―としている。