2017.03.01 かんぽ生命・第一生命、共同取組みの実施状況、メガソーラー事業に共同投資

 かんぽ生命と第一生命はこのほど、2016年3月29日に合意した「業務提携に関する基本合意書」に基づき、資産運用事業における共同取り組みを実施したと発表した。今回発表された内容は、①プロジェクトファイナンス分野における共同投資の実施②資産運用会社の共同活用の実施―の2点となる。
 かんぽ生命と第一生命の両社は、業務提携の発表以降、プロジェクトファイナンス分野において継続的にインフラ事業などの成長分野への共同投資を検討してきたが、このほど、日本国内の太陽光発電事業(メガソーラー事業)に対するデットファイナンスを共同で実行した。
 これまでの実績としては、2案件に対し、両社合計で約100億円の共同投資を実行した。両案件共に、かんぽ生命・第一生命の投資額合計がプロジェクト全体の資金調達の過半を占め、主要投資家として参画している。
 投資を実施した2案件は、東北地方、関東地方にそれぞれ建設された太陽光発電所にて発電された電力の販売によって得られるキャッシュフローを返済原資としたプロジェクトファイナンス案件。投資期間は20年弱と長期間にわたるものだが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき安定したキャッシュフローが見込まれている。優良案件を選別して取り組むことにより、長期投資という生保会社の投資ニーズを満たすとともに、国内電力安定供給への貢献も果たしている。
 なお、今回の共同投資案件の検討に当たっては、両社の資産運用部門が緊密に連携し、両社の厳格な投資基準を満たしつつ、魅力あるプロジェクトの発掘・選定を実施した。
 また、このようなインフラ事業への投資に当たっては、プロジェクトに関連するさまざまなリスクを適切に評価する必要があるが、第一生命がこれまでの投資で培った案件選定プロセス、豊富な評価・審査ノウハウなどをかんぽ生命と共有することで、共同投資を実現した。
 両社では今後も、インフラ分野にとどまらず投資対象分野の拡大を図るとともに、両社における運用審査態勢の一層の高度化に取り組みつつ、さらなる投資拡大を図っていくとしている。
 資産運用会社の共同活用については、かんぽ生命と、第一生命の関連会社であるアセットマネジメントOne㈱が共同で、生保会社の資産運用に資する商品として、中長期的に安定的な収益の獲得を目指す絶対リターン型のマルチアセット戦略ファンドを開発し、投資を実行した。
 同ファンドは、かんぽ生命とアセットマネジメントOneの両社が、生保会社の財務上の特性などを踏まえ、低金利環境下における安定的なインカム収益の獲得に向けたさまざまな戦略について、数カ月間にわたり金融工学などを駆使し多面的な検討・研究を進めた結果、開発が実現したもの。
 かんぽ生命では、同ファンドへの投資やアセットマネジメントOneとの共同開発・人的交流などを通じ、適切なリスク管理の下で、引き続き資産運用の高度化・収益性の向上を目指していくとしている。