2017.02.27 第一生命グループ、日本調剤と業務提携、調剤薬局で保険商品販売
第一生命、ネオファースト生命、日本調剤は2月20日、3社の持つ顧客向けサービスや営業基盤を相互に活用し、それぞれの顧客に対して新たなサービスならびに保険商品を開発・提供することで、国民の健康寿命延伸を共に目指していくため、業務提携契約を締結した。3社によれば、大手生保グループと大手調剤薬局チェーンの提携は初となる。
今回の提携の具体的な取り組み内容として、健康状態によるリスク細分型の保険商品や、健康増進に向けた行動変容を促すような保険商品の販売を一部の日本調剤の保険代理店店舗から開始する。具体的には、ネオファースト生命の非喫煙者割引付きの医療保険や、持病があっても健康維持によって保険料が安くなるような引受基準緩和型の医療保険、「健康年齢」を基に保険料を設定する医療保険などの取り扱いを検討している。
日本調剤の薬局店舗、特に、一部店舗で展開している、健康に関する相談業務を行う薬局内施設である「健康チェックステーション」については、地域の健康づくりの拠点として、健康セミナーの共同開催など、近隣住民へ向けた健康に関する啓発活動を共同で展開していくことを検討している。
日本調剤が独自に開発した電子お薬手帳である「お薬手帳プラス」アプリについては、服薬順守(アドヒアランス、注1)をサポートする、薬の「飲み忘れチェック」機能をはじめとして、健康管理をサポートする機能などを、第一生命グループの契約者向けサービスの一つとして活用し、顧客の日々の健康増進を促す取り組みの検討を開始する。
さらに、第一生命グループと日本調剤共同で、両社が持つノウハウや知見を生かして、健康増進に向けた行動変容を促すような新たな保険商品・サービスの開発の検討を進めていく。
第一生命グループでは、2016年1月から、顧客の一生涯に寄り添った「確かな安心」と「充実した健康サポート」の提供をさらに強化すべく、生命保険事業のイノベーション創出に向けて、InsTech(インステック)の取り組みを開始している。この取り組みでは、他業態と連携したエコシステム(注2)の実現なども視野に、外部の知見やデータ、アイデアを活用しながら、生保業界全体のイノベーションをリードしていくことを目指している。その一環として、ネオファースト生命では、第一生命が持つ約1000万人の顧客情報を含む医療ビッグデータなどの解析を行い、顧客の健康増進の促進・支援につながり、健康寿命の延伸に貢献できるような新商品の開発を進めている。
日本調剤は調剤薬局チェーンとして全都道府県に計557店舗を展開しており、09年からは保険代理店事業も開始して27店舗を展開している。「日本のかかりつけ薬局」を目指して健康増進・重症化予防へのさまざまな取り組みを実施しており、中でも、「お薬手帳プラス」アプリでは、先進的なテクノロジーを活用した患者への服薬順守に向けた支援を行っている。
また、各薬局店舗は、健康への関心を高めてもらうことを目的として、肌年齢測定や骨密度測定、簡易血液検査など、自身の現在の健康度をチェックすることができる健康イベントを定期的に開催している。さらに昨年12月からは、一部の店舗内に、特設コーナー「健康チェックステーション」を設け、血糖値や体脂肪などの健康チェックや健康相談を開始しており、今後、順次、設置店舗を拡大していく予定だという。
(注1)患者が主体的に処方通りの適切な服薬管理を行うこと。
(注2)複数の企業や団体がパートナーシップを組み、それぞれの技術や強みを生かしながら、業種や業界の垣根を越えて共存共栄する仕組み。