2016.12.08 3メガ損保の9月中間決算、全グループが増益をマーク
損保大手3グループの2016年4~9月期の連結決算の内容がこのほど発表された。純利益では東京海上HDが1552億円、MS&ADHDが984億円、SOMPOHDが434億円で3グループとも前年同期を上回り、合計では2970億円、49%増加し、極めて高い増加率をマークした。正味収入保険料は前年10月に火災保険料を引き上げ、10年超の保険の販売を中止したことに伴う駆け込み需要があったが、今期はその反動で、減少に転じた。
一方で自然災害に対する保険金支払いとして、熊本地震が発生したものの保険金総額を大きく押し上げるほどではなく、また前年は台風による被害が大きかったこともあって今期は減少した。
正味収入保険料の減少より支払い保険金の減少幅が大きかったことにより、収支は改善された。
東京海上HDの正味収入保険料はTMHCCが新規にPL連結されたものの、円高進行による海外保険会社の減収や国内損保事業の火災保険の減収により、前年同期比342億円の減収となった。
経常利益は前年同期比972億円、親会社に帰属する中間純利益は同696億円の増益を記録した。
MS&ADHDの国内損保の正味保険料は前年度実施した火災保険の商品改定および駆け込み需要の反動を主因にMSが前期比5.6%、ADが0.7のそれぞれ減収となった。
しかし、英損保のアムリン買収による効果の2832億円が加わってグループとしては13.5%増収して1兆8393億円、3グループの中ではただ1社増収し、しかもトップとなった。
SOMPOHDは純利益は434億円で52%の増加率を記録した。国内損保はアーンド・インカード損害率の改善などを主因に、保険引受利益が大幅に改善したことにより、円高などの市場環境要因があるが増益となった。
通期の見通しとしては3グループとも正味収入保険料については火災保険の反動の期間が終了するのでその結果が注目される。
また、米国の次期大統領がトランプ氏に決まり、彼の政府の政策がどのように日本の保険業界に波及してくるのかはっきりしない点や円の動向についても同様で今後を見通すことは難しいとしている。