2016.11.28 日本生命 16年度上半期決算、新契約年換算保険料が増加
日本生命が11月24日に発表した2016年度上半期決算によると、単体・連結業績共に減収・減益だった。保険料等収入は三井生命の業績が連結反映されたものの、日本生命単体で円建て窓販商品の販売停止や前年同期の大型団体年金契約獲得の反動などがあり、減収となった。基礎利益も三井生命の業績が連結反映されたが、日本生命単体で利差益が減少したことなどを主因に減益となった。新契約は保障額等・年換算保険料は増加、件数は減少した。保有契約は件数・年換算保険料は増加、保障額等は微減した。 保険料等収入は、日本生命が前年同期比18.4%減の2兆3627億円、三井生命が同3.3%減の2506億円、海外保険・アセットマネジメント事業等が同3.6%減の159億円で、合計は同9.7%減の2兆6293億円だった。 基礎利益は、日本生命が同17.6%減の3241億円で、これに三井生命、海外保険・アセットマネジメント事業等の持ち分を加えた合計は同13.3%減の3427億円となった。グループ事業純利益は三井生命との経営統合効果などによって、同118.9%増の174億円と大幅な伸びを示した。 日本生命と三井生命を合わせた国内全体の保険料等収入の内訳をみると、営業職員等が60%、団体年金が27%、銀行窓販が7%、団体保険が6%で、営業職員等チャネルが過半を超える割合を占め、グループの基軸となっている。営業職員等チャネルでは、日本生命が主にグランエイジ、逓増定期保険、三井生命がドリームロード、大樹セレクトなどの販売が好調だったことによって、同チャネルがグループ全体のプラスを確保するなど、厳しい環境ながら、一定の業績下支えとなった。引き続き、厳しい外部環境の中にあるものの、今後も顧客ニーズを的確に捉え、魅力的な商品・サービスの提供に努めていく考え。 個人保険・個人年金保険の新契約業績は、件数では日本生命が同9.8%減の206万件、三井生命が同27.6%増の11万件となり、合計は同4.8%減の217万件だった。保障額等は日本生命が同6.2%減の4兆6418億円、三井生命が同22.7%減の4299億円で、合計は同2.5%増の5兆718億円となった。年換算保険料は日本生命が同4.9%増の1434億円、三井生命が同2.3%増の162億円で、合計は同16.7%増の1596億円となった。 個人保険・個人年金保険の保有契約業績は、件数で日本生命が前年度末比3.7%増の2763万件、三井生命が同1%減の257万件となり、合計は同3.3%増の3021万件だった。 保障額等は日本生命が同0.7%減の165兆8396億円、三井生命が同2.3%減の21兆3839億円で、合計は同0.8%減の187兆2235億円となった。年換算保険料は日本生命が同1%増の3兆4652億円、三井生命が同0.5%減の4985億円で、合計は同0.8%増の3兆9638億円となった。 団体保険の保有契約業績は、企業ごとのきめ細やかなコンサルティング活動に継続して取り組んだ結果、日本生命、三井生命共に契約を伸ばし、国内全体では同1%増の108兆1799億円だった。団体年金保険の保有契約業績は、株価や為替の影響による時価減などで特別勘定では受託資産額が減少したものの、日本生命、三井生命、ニッセイアセットマネジメントの受託資産の合計は同0.9%増の15兆3569億円となった。 保険金等支払金は連結ベースで前年同期比11.3%増の2兆825億円、事業費は連結ベースで同17.3%増の3463億円となり、連結経常利益は同0.5%増の2696億円、中間純剰余(利益)は同17.3%減の1184億円となった。 連結ベースの総資産は前年度末比0.3%減の70兆4303億円、責任準備金は同1%増の58兆855億円だった。ソルベンシー・マージン比率は日本生命で劣後債の発行や諸準備金などの積み増し、三井生命で劣後債の発行などを行ったことによって、988.5%と同64.1ポイント上昇した。実質純資産額は同2.5%減の17兆2069億円。 16年度決算については、保険料等収入で日本生命、三井生命共に減少を見込み、連結で減少の見通し。基礎利益は日本生命で減少、三井生命で増加、連結で減少を見込む。