2016.10.20 損保ジャパン日本興亜「弁護のちから」販売が好調、日常の法的トラブル解決支援
損保ジャパン日本興亜の弁護士費用を補償する保険「弁護のちから」の団体契約の販売が好調だ。同保険は、「傷害総合保険」もしくは「新・団体医療保険」に「弁護士費用総合補償特約」をセットした契約で、個人の日常生活における法的トラブルを解決するための弁護士費用を補償するものだ。同内容の保険は国内の損保会社としては初めてで、現在も多くの企業・団体から問い合わせが寄せられているという。
内閣府大臣官房政府広報室が発表した「総合法律支援に関する世論調査」によると、約90%の人が法的トラブルは増えていると感じているという。実際に法的トラブルが発生した場合、多くの人は相談したくても身近に相談できる弁護士がおらず、また、高額な費用負担などの懸念から弁護士への法律相談を行いにくいのが現状だ。
同社は誰もが加害者にも被害者にもなる可能性があることに着目し、被害事故などで法的トラブルに巻き込まれた場合での備えが必要と考えた。そこで、先行して弁護士費用補償保険を導入している海外諸国に赴き、研究を重ね、3年の歳月をかけて顧客が抱く金銭面での不安を和らげ、トラブル解決に向けて踏み出すための保険として「弁護のちから」を開発した。
同保険は、企業などを契約者とする団体契約で団体の構成員が加入できる。被害事故、借地・借家、遺産分割調停、離婚調停、人格権侵害(ストーカー行為、いじめまたは嫌がらせにより精神的苦痛を被ったことによるトラブルなど)、労働に関するトラブル(オプション)に関する法的トラブルが発生した初期段階で、弁護士に法律相談を行う場合の「法律相談費用」や、相談した結果、弁護士との委任契約を締結し、訴訟を提起することになった場合の着手金・報酬金などの「弁護士委任費用」が保険金支払いの対象となる。
リテール商品業務部傷害医療業務グループの藤本和真特命課長は「遺産相続や賃貸借契約など日常生活での法的トラブルに巻き込まれた場合に当事者本人や家族の精神的・経済的な負担は非常に大きい。この保険を活用することによって、金銭的な負担を軽減してトラブルの早期対策・解決につなげることができる。また、昨今はSNSなどのネットでのトラブルも多発しており、このような社会問題を解決する一助になれば」と期待を込める。
保険金支払いの対象となる案件で、顧客が弁護士紹介を希望する場合は、日本弁護士連合会の「リーガル・アクセス・センター(LAC):協定会社からの弁護士紹介依頼に基づき、日本弁護士連合会の各地の弁護士会を通じて紹介を行う機関」を通じて弁護士を紹介する。
同部同グループの岩本実特命課長は「発売以来、多くの企業・団体に好評をいただき、傷害総合保険の団体契約を中心に弁護士費用総合補償特約の導入が順調に伸びている。同特約の付帯率についてはまだ向上の余地があると思っているので、販売促進を図っていきたい。業界初の新商品なので、分かりやすいパンフレットを用意し、訴求力を高めている。お客さまにとってどういう補償が必要なのか、声を吸い上げることで、今後の商品開発にも生かしていきたい」と話している。