2016.09.09 大同生命が治療費軽減の保険開発へ、ロボットスーツ用い特定疾病に対応

大同生命はこのほど、CYBERDYNE㈱(サイバーダイン)との間で業務提携契約を締結したことを明らかにした。提携に基づき同社では今後、当局からの認可を前提に、サイバーダインが開発・提供するロボットスーツ「HAL(R)医療用下肢タイプ」を用いた特定の疾病治療に対して、受療者の治療費用の負担を軽減するための新たな保険商品の開発を目指す計画だ。
 サイバーダインは、2004年に筑波大学発ベンチャーとして設立。以来、社会が直面するさまざまな課題を「サイバニクス(注)」を駆使した革新的技術によって解決することを目指し、研究開発から社会実装までを一貫して推進している。同社では「科学技術は人や社会の役に立ってこそ意義がある」との理念の下、医療・福祉・生活分野(オフィスや工場などの職場を含む)に焦点を当てた「人支援産業の創出」に取り組んでいる。
 サイバニクスを用いた「ロボットスーツHAL」(Hybrid Assistive Limb)は、身体機能を改善・補助・拡張・再生する世界初(同社調べ)のサイボーグ型ロボット。医療用HALは、昨年11月に神経・筋難病疾患患者を対象に新医療機器として製造販売承認を取得。今年4月には医療用HALを利用した神経・筋難病疾患患者のロボット治療に対して世界で初めて公的医療保険の償還価格が決定した。また、9月2日からは公的医療保険による医療用HALの保険治療が開始されている。
 大同生命による業務提携は、同社の医療保障保険の魅力向上とともに、「医療用HAL」による先進的な難病治療の普及・浸透の促進を通じて難病患者の支援の一助となる事を目的としたもの。
 一方、サイバーダインは、独自の「サイバニクス」技術を駆使した各種製品・サービスの提供を通じて「重介護ゼロ社会」の実現を目指しており、保険商品や健康関連サービスを提供する大同生命とは、多くの事業領域で共通する経営理念を持っている。
 両社では今後、幅広い事業分野でサイバニクスと保険の協働によるシナジーを発揮することを通じて、人々の健康で豊かな社会づくりに貢献していく考え。
 (注)サイバネティクス、メカトロニクス、インフォマティクスを中心に、脳・神経科学、IT(情報技術)、ロボット工学、心理学、法学、倫理、経営などを融合・複合した新たな学術領域のこと。筑波大学山海嘉之教授(サイバーダイン社長)が創成した。