2016.08.25 三井住友銀行、みずほFG、りそなHDが生保販売手数料開示へ

 三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングスは8月22日から23日にかけて、生命保険(特定保険契約)の販売で保険会社から支払われる手数料について、10月から顧客に開示する考えを明らかにした。保険会社の同意を前提に実施する。金融庁が重点施策に掲げる「資本市場活性化に向けた金融機関によるフィデューシャリー・デューティーの徹底」を踏まえ、自主的に開示をすることで透明性を高め、顧客がより一層適切な判断を行うことができる環境を整える。
 手数料の開示を表明しているのは24日時点で、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループのみずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券、りそなホールディングス・グループのりそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行、りそなアセットマネジメントの各社。
 市場リスクを持つ生命保険商品(特定保険契約)、具体的には変額保険、外貨建て保険などの市場価格調整機能を持つ保険を対象に開示する。
 なお、各社では、一時払い保険の手数料の受領方式についても、販売時だけでなく契約期間を通じた情報提供やアフターフォローを行う基本姿勢を反映する観点から、契約時にコンサルティングなどへの対価として受領する販売手数料と、契約後にアフターフォローへの対価として一定額を定期的に受領する継続手数料とに分割して受領する方式の導入を順次進めていく考え。
 資産運用関連業務におけるフィデューシャリー・デューティーについて、各社はそれぞれの取り組み方針の下で、その義務の全うに向けてさまざまな施策を実施してきたが、これまで保険会社から販売代理店に対して支払われる手数料については開示をしてこなかった。
 金融庁は、資産運用市場や資産運用業の中長期的な発展を促す観点から、商品開発、販売、運用、資産管理に携わる金融機関がその役割・責任(フィデューシャリー・デューティー)を果たすことを要請しており、今後、保険販売に係る手数料の開示の動きは他行にも拡大していくものと予想される。