2016.08.02 損保ジャパン日本興亜が「ビジネスマスター・プラスe」発売、中小企業リスクを包括補償
損保ジャパン日本興亜は7月から、中小企業向けの事業活動総合保険「ビジネスマスター・プラス」と火災保険「ビルディング総合e」をセットにした「ビジネスマスター・プラスe」を発売した。企業の事業活動に伴うさまざまなリスクを包括的にカバーするとともに、新たにセット割引や無料付帯サービスを提供することで、顧客利便性を高めた。中小企業マーケットでの新規開拓や既存顧客の囲い込みを通じて実績の底上げを図る。
同商品は、事業活動上の財物リスク、休業損害リスク、賠償責任リスク、労災リスクをカバーするビジネスマスター・プラスと、建物を補償するビルディング総合eをセットにしたもので、販売先企業、個人事業主の業種やニーズに応じて①ビジネス②工事業③物流業④傷害―の4プランをベースにさまざまな補償の組み合わせで加入できる。ビジネスマスター・プラスは売上高(業種によっては延床面積)を基に保険料を算出し、ビルディング総合eも保険料の試算が容易であることから、契約手続きは簡単で、保険の手配漏れや重複も防げる。加えて、セット加入でビルディング総合eの保険料を10%割り引く。小売業で売上高5億円、建物損害、物損害の保険金や、賠償責任保険のてん補限度額をそれぞれ1億円とした場合、保険料は約60万8000円となる。
契約プランに応じて利用できるさまざまな無料付帯サービスも大きな特長だ。労災カバーを付加したプランに加入すると、医療や生活関連サポートサービス、メンタルヘルスサービス、人事労務担当者向けサービスを合わせた「こころとからだホットライン」や、昨年12月に制度化されたストレスチェックに対応する「ストレスチェックサポートサービス」を受けられる。また、ビルディング総合eや財物カバーを付保すると、火災や水災などで被災した契約者の建物や什器(じゅうき)備品をさびや腐食などから防ぎ、事業の早期復旧を支援する「被災設備修復サービス」を利用できる。
近年、中小企業ではパートタイマーやアルバイトといった非正規従業員が増加傾向にあるとともに、労働人口の年齢構成比に占める55歳以上の割合が上昇しており、労災リスクが高まっている。一方で、集中豪雨や大型台風による土砂崩れ、高潮、河川の氾濫といった自然災害、また、設備の老朽化による電気・機械的な事故など、中小企業を取り巻くリスクが全般的に増えている。こうした現状を受けて、同社は、中小企業でも特に企業数が多い建設業、製造業、卸売業、小売業、飲食業をメーンターゲットにしたセット化商品を導入した。既に、全国の各課支社にトークスクリプトなどを記載した販売ガイドブックの提供やニュースの発信を通じてPRを図っている。
ビジネスマスター・プラスは、2014年の同社合併以降、収入保険料で毎年10億円前後増収しており、契約者数は8万社を数える。今回、既存契約者のセット化と新規顧客の拡大を通じて、本年度目標として30億円の増収を見込む。
同商品の旗振り役を務める地区サポート部プロフェッショナルサポートグループの中村守宏特命課長は「全国的にさまざまなチャネルで販売できると考えており、企業向け商品の柱として推進していきたい」としている。また、企業商品業務部工事・労災保険グループの藤井大輔課長代理は「既にお客さまや代理店から高評価を頂いている両商品のセット化で、従来以上に魅力が増したことから、好調な販売ペースをさらに加速させたい」として、今後の売り上げ増に期待を寄せている。