2016.07.01 損保協会加盟26社15年度決算概況、正味収保5期連続で増収

 損保協会は6月27日、加盟26社の2015年度決算概況を発表した。それによると、正味収入保険料が自動車保険や火災保険などの伸びによって対前年度比3・4%増となり、5期連続で増収した。正味支払保険金は、14年2月の雪害に係る火災保険金の支払いが解消したことなどによって同0・8%減少。当期純利益は、資産運用収益の増加などによって同50・4%増の5699億円となった。
 保険引き受けの概況では、正味収入保険料は、自動車保険での14年度の料率改定や、火災保険での15年10月の商品改定に係る契約見直しによる増収などによって、全種目合計で対前年度比3・4%(2766億円)増収して8兆3597億円となった。
 正味支払保険金は、15年度に発生した台風や国内自然災害に係る支払いが増加した一方で、14年2月の雪害に係る支払いが解消したことや、自動車保険の事故件数が減ったことなどによって、全種目合計で同0・8%(366億円)減少した。
 損害率は、正味支払保険金の減少と正味収入保険料の増加により、同2・4ポイントダウンの59・9%となった。
 また、15年度に発生した自然災害による正味発生保険金は、自然災害が比較的少なかった14年度の約2・3倍の2652億円になった。
 保険引き受けに係る営業費と一般管理費は、システムコストの増加などによって同2・5%増の1兆1994億円。事業比率は、正味収入保険料の増収により0・1ポイントダウンの32・1%で、損害率と事業費率を合計したコンバインド・レシオは、前年度から2・5ポイント改善し、92・0%だった。
 保険引受利益は、正味収入保険料の増収などによって前年度に引き続いて黒字を確保した一方、責任準備金の繰り入れが増加し、同285億円減益の1148億円となった。
 資産運用粗利益は、国内・外の株式配当金の増加などによる利息および配当金収入の増収により、同12・2%増益して7222億円となった。
 経常利益は、資産運用粗利益の増益によって同6・4%増の7947億円。経営利益に特別損益や法人税等合計を加減算した当期純利益は同50・4%増益して5699億円だった。
 総資産は、株式相場の下落で上場株式の時価が減少したことなどから、前年度末比0・4%減の30兆8500億円となった。ソルベンシー・マージン比率は、全社とも、法律で求める水準を超えており経営の健全性に問題はない。