2026.01.16 金融庁 「基本計画」「ガイドライン」の規定を集約 南海トラフ地震対応で監督指針改正へ

 金融庁は昨年12月25日、南海トラフ地震に関連して金融機関がとるべき対応の一層の明確化のため、各業態の金融機関の「監督指針」の一部改正(案)を公表し、1月23日午後5時を締め切りに意見の募集を始めた。
 今回の監督指針等の一部改正は、現在、南海トラフ地震に関連して金融機関がとるべき対応について、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づき制定された「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」や「南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドライン」(以下、南海トラフ地震ガイドライン)、各業態の監督指針等に規定されているところから、金融機関の対応を一層明確化するため監督指針等について所要の改正を行うもの。具体的な内容は、▽「事前避難対象地域」内に所在する営業店の対応について、「住民事前避難対象地域」と「高齢者等事前避難対象地域」に区分して精緻化▽基本計画やガイドラインに規定されている内容(例:「住民事前避難対象地域」における営業休止予定店舗の事前周知)についても監督指針等に集約し、必要な対応を一覧化―とされる。
 「事前避難対象地域」とは、南海トラフ地震ガイドラインで規定する「事前避難対象地域」を指し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の発表後、緊急災害対策本部長からの指示を受けて、避難指示等を発令すべき対象として、市町村があらかじめ定めた地域のことで、「住民事前避難対象地域と高齢者等事前避難対象地域を合わせた地域」と規定されている。「住民事前避難対象地域」は、「事前避難対象地域のうち、市町村が避難指示を発令し、全ての住民が1週間を基本とした避難行動をとるべき地域」とされ、「高齢者等事前避難対象地域」は、「事前避難対象地域のうち、市町村が高齢者等避難を発令し、要配慮者等が1週間を基本とした避難行動をとるべき地域」とされている。
 「保険会社向けの総合的な監督指針」の場合、「Ⅲ保険検査・監督に係る事務処理上の留意点Ⅲ―1検査・監督事務に係る基本的考え方Ⅲ―1―7災害における金融に関する措置Ⅲ―1―7―2南海トラフ地震の事前避難対象地域内外における金融上の諸措置」の「(1)事前避難対象地域(注記略)内に本店又は支店等の営業所を置く保険会社の巨大地震警戒発表時における対応について」に「①住民事前避難対象地域内の対応」が新設された。
 同「ア.」では「南海トラフ地震ガイドラインの規定を踏まえ、住民事前避難対象地域内において、巨大地震警戒の発表に伴い市町村から避難指示が発令され次第、営業休止の措置を講じる予定の営業店舗については、顧客に対してポスターの店頭掲示や新聞・インターネットのホームページへの掲載等の手段により平時から予め周知することが望ましい」とされ、「イ.」で営業時間中の避難指示への対応、「ウ.」で営業時間外の避難指示への対応、「エ.」で避難指示解除への対応、「オ.」で発災後の対応が規定された。
 また、引き続き「②高齢者等事前避難対象地域内の対応」が新設され、同「ア.」では「高齢者等事前避難対象地域内において、営業時間中に巨大地震警戒の発表に伴い市町村から高齢者等避難が発令され、保険会社が高齢者等事前避難対象地域内に所在する本店又は支店等の営業所における営業を休止する場合(注)には、営業の休止・継続の状況を、ポスターの店頭掲示や新聞・インターネットのホームページへの掲載等の手段により顧客に周知徹底するよう要請する。/(注)例えば、店舗における従業員が要配慮者等に該当したり、要配慮者等の避難を補助するため従業員が業務に従事できなくなったりするなど、高齢者等避難の発令により営業継続に必要な体制を確保できない場合などが考えられる」とされ、「イ.」で営業時間外の対応、「ウ.」で解除への対応、「エ.」で発災後の対応が規定された。