2024.03.12 T&D保険グループ 23年度第3四半期決算 四半期純利益2324億円増益の648億円 中核3社新契約保険料は28%増

T&D保険グループが2月14日に発表した2023年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比11.4%増の2兆3622億円を計上。連結経常利益は1087億円(前年同期実績は▲1209億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期に海外再保険関連会社フォーティテュード社で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動により、同2324億円増益の648億円(前年同期実績は▲1675億円)だった。グループ修正利益は、主に国内生命保険事業におけるキャピタル損益の減少、クローズドブック事業におけるフォーティテュード社の責任準備金積増等により同16.4%減の704億円だった。通年の業績予想の修正はない。

第3四半期末の中核生保3社(太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命)合算の保険料等収入は主力商品の販売好調等により前年同期比13.3%増の1兆8431億円で、基礎利益は為替ヘッジコストの増加等があった一方、新型コロナ関連の支払減少等により同14.9%増の801億円だった。
契約業績は、一時払商品の販売増加や対面・非対面を融合したハイブリッド営業、および顧客ニーズに丁寧に対応したコンサルティング営業の推進等による主力商品の販売が好調で、中核生保3社の新契約年換算保険料は同28.7%増の1520億円だった。このうち第三分野は同8.9%増の331億円。保有契約年換算保険料は1兆6209億円で前年度末比3.6%増、このうち第三分野は2956億円で同3.0%増だった。
中核生保の業績を個社ごとに見ると、太陽生命の経常収益は前年同期比1.2%減の7331億円で、このうち保険料等収入は同24.9%増の5630億円だった。新契約年換算保険料は同7.0%減の240億円、うち第三分野は同8.6%減の148億円。年換算保険料のうち、主に貯蓄系商品を除いた保障性新契約年換算保険料は、前年の新型コロナウイルス感染症拡大による医療ニーズの高まりの反動により減少し、同13億円減の157億円。インフォマーシャルやインターネット広告等を経由したダイレクト情報を活用し、対面・非対面を融合させた「ハイブリッド型営業」の推進や営業職員数の増加、顧客ニーズの高い新商品の発売等に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響が軽微だった21年度からは増加している。
保障性保有契約年換算保険料は、新契約業績が好調だったことを受けて上場以来最高だった前年度末から増加し、前年度末から3億円増の1617億円となった。経常費用のうち保険金等支払金は同7.9%減の5225億円、経常利益は同6.3%増の338億円、純利益は同24.0%増の196億円、基礎利益は同65.0%増の204億円だった。
大同生命の経常収益は前年同期比9.8%増の8709億円で、このうち保険料等収入は同4.5%増の6249億円だった。新契約年換算保険料は同9.5%増の574億円、うち第三分野は同7.3%増の150億円だった。新契約高(注)は、死亡保障・就業不能保障・介護保障など、顧客の幅広い保障ニーズに応える丁寧なコンサルティング営業を実践したことなどにより堅調に推移。「就業不能・介護保障商品」の新契約高も前年同期から増加し、前年同期から3846億円増の3兆7972億円となった。保有契約高(注)は、中小企業の資金需要の高止まりなどにより「解約失効高」が増加したものの、「新契約高」が堅調に推移したことにより、前年度末から817億円増の46兆7655億円となった。経常費用のうち保険金等支払金は同5.8%増の4386億円で、純利益は同0.1%減の448億円、基礎利益は同12.6%増の616億円だった。
T&Dフィナンシャル生命の経常収益は前年同期比6.2%増の7328億円、うち保険料等収入は同13.4%増の6551億円だった。新契約年換算保険料は、23年4月にリニューアルした一時払個人年金保険「ファイブテン・ワールド3」の販売が堅調に推移したことなどにより、同77.4%増の704億円。保有契約年換算保険料は前年度末から31.1%増加し2493億円だった。経常費用のうち保険金等支払金は同0.8%減の6361億円で、純利益は同53.8%減の34億円、基礎利益は同45億円減の▲19億円だった。
損保事業のペット&ファミリー損保は、新契約件数が好調に伸展したことにより保有契約件数が増加し、経常収益は前年同期比7億円増の80億円、経常利益は同5億円増の9億円、四半期純利益は同4億円増の6億円だった。
T&Dユナイテッドキャピタル連結のクローズドブック事業は、修正利益はT&Dユナイテッドキャピタルの投資先であるフォーティテュード社における変額年金保険の責任準備金積増等により、前年同期比96億円減の66億円。四半期純利益は、前年同期にフォーティテュード社で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動により、同2336億円増の▲19億円だった。
グループ連結のソルベンシー・マージン比率は内外株価上昇等により前年度末比31.1ポイント上昇し951.2%。
(注)「新契約高」「保有契約高」には、「Jタイプ」の重大疾病保険金額、「Tタイプ」の就業障がい保険金額、「介護リリーフα」等の介護保険金額および「一時金型Mタイプ」の入院一時金額を基準として計上した金額を含む。