2024.02.21 かんぽ生命 23年度第3四半期決算 四半期純利益は14.5%減 新契約年換算保険料は32%増と回復基調

 かんぽ生命は2月14日、2023年度第3四半期決算を発表した。連結業績では、経常収益は前年同期比2372億円減の4兆5607億円で、うち保険料等収入は同833億円減の1兆5865億円。経常利益はキャピタル損益の大幅な改善により同466億円(59.2%)増の1254億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同110億円(14.5%)減の651億円となった。かんぽ生命単体の基礎利益は、保有契約の減少が続く中、新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少により、同348億円増の1697億円となった。通期の業績予想については、直近に公表の予想から修正はない。

連結主要業績では、経常収益4兆5607億円の通期業績予想5兆8900億円に対する進捗率は77.4%。このうち保険料等収入は前記のとおり1兆5865億円、資産運用収益は同186億円増の8765億円、責任準備金戻入額は同2134億円減の2兆376億円だった。
契約の状況では、個人保険の新契約年換算保険料は引き続き回復基調で、前年同期比32.9%増の659億円。そのうち第三分野は同71.0%増の82億円だった。新契約の内訳は、養老保険が20万件占率55.7%で、占率は前年同期比13.9ポイント下がり、終身保険が8万件同22.1%で同4.6ポイントのアップ、学資保険が5万件同15.7%で同6.7ポイントのアップを示した。
保有契約年換算保険料は、個人保険が前期末比6.2%減の3兆184億円で、うち第三分野が同3.6%減の5719億円だった。個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比5.1%減の1991万件だった。商品別に見ると、養老保険は609万件(占率30.6%、前期末実績677万件)、終身保険は1083万件(占率54.4%、前期末実績1109万件)、学資保険は282万件(占率14.2%、前期末実績297万件)、その他は16万件(占率0.8%、前期末実績13万件)となっている。
連結の経常費用は前年同期比2839億円減の4兆4353億円で、このうち保険金等支払金は同2833億円減の3兆8615億円、資産運用費用は同34億円増の1906億円、事業費等は同41億円減の3830億円だった。第3四半期の日本郵便に対する委託手数料は同115億円減の911億円。このうち、新契約手数料は同82億円減の186億円、維持・集金手数料は同33億円減の725億円だった。拠出金は同47億円増の423億円だった。
連結の経常利益1254億円の通期業績予想1400億円に対する進捗率は89.6%。四半期純利益651億円の通期業績予想720億円に対する進捗率は90.5%となっている。
連結の総資産は前期末比1兆7016億円減の60兆9857億円で、純資産は同4937億円増の2兆8690億円となった。
「収益追求資産」への投資残高は、前期末比5772億円増の10兆4076億円で、総資産に占める割合は17.1%(前期末15.7%)。平均予定利率は前年同期から0.01ポイント下がり1.66%、利子利回りは同0.02ポイント低下し1.80%だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は1035.9%で前期末比26.8ポイント上昇した。
エンベディッド・バリュー(EV)は、国内株価上昇による保有国内株式の含み益の増加等により、前期末比2501億円(7.2%)増の3兆7139億円だった。23年4月から12月までの新契約をベースに12月末の経済前提を使用した新契約価値は112億円で、新契約価値を将来の保険料収入の現在価値で除した新契約マージンは1.6%だった。
かんぽ生命単体ベースでは、基礎利益は前記の通り1697億円となった。通期業績予想(2000億円程度)に対する進捗率は84.9%。内訳は、保険関係損益が前年同期比425億円増の1168億円、順ざやが同77億円減の529億円。臨時損益は新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少等に伴い危険準備金の繰入額が増加し同527億円減の▲502億円、キャピタル損益は大幅に改善し同658億円増の65億円。以上の結果、経常利益は同479億円増の1260億円となった。
特別損益の計上で価格変動準備金の房入額の減少等が573億円、契約者配当準金繰入額の増加が44億円、法人税等合計の減少が40億円あり、第3四半期純利益は前年同期比98億円減の660億円となった。