2024.01.25 三井住友海上 関連事業17社から協力意向表明受領 宇宙旅行保険開発へ

三井住友海上は昨年12月20日、来たる宇宙旅行時代に備える新たな補償やサービスの提供に向けて、宇宙業界、旅行業界、弁護士業界、医療業界、地方自治体等17の企業・団体から、同社の宇宙旅行を補償する保険商品に対して将来にわたり協力検討を進める意思がある旨を示す「意向表明書」を受け取ったと発表した。

近年、宇宙はかつてない新たな挑戦と活動の場として注目されている。数分程度の短期の宇宙体験から宇宙ステーションでの中長期滞在、さらには月や火星への長期的な探査までその範囲は広く多様で、今後は宇宙飛行士のような特殊な職業に限らず、一般人もビジネスから観光までさまざまな目的で宇宙を旅する可能性が広がっている。
三井住友海上は、保険を通して新たなフロンティアへの挑戦を支えたいという強い思いから、2022年7月に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と宇宙旅行保険事業で共創活動を開始するなど、いち早く宇宙旅行保険の開発に向けた取り組みを進めてきた。宇宙旅行が身近になる一方、いまだ一般人の宇宙での活動は未知の領域であり、保険によるリスクの低減や手厚い補償が求められている。ただし、未知のリスクを補償する商品やサービスを開発するためには、旅行・法律・医療・技術等、関連する分野の企業・団体との協力が必要不可欠となる。そこで、同社の取り組みへの賛同者を募り、意向表明書を取りまとめるに至ったという。
今後同社では、賛同を得た企業・団体とともに宇宙旅行保険の開発を進め、さまざまな形態が想定される宇宙旅行のそれぞれのニーズに即した宇宙旅行保険を順次開発していく。宇宙における活動をより安心・安全に、より満足できるものとするために、宇宙ビジネスに関係する各分野の企業・団体との協力を通じて各領域の専門性と経験を結集し、宇宙旅行保険の新たなステージの実現に向けて今後も取り組んでいくとしている。
意向表明書を提出した主な企業・団体(カッコ内は事業内容)は次の通り。
▽㈱岩谷技研(航空宇宙開発事業)
▽㈱エイチ・アイ・エス(旅行事業、ホテル事業、地域事業など)
▽㈱クラブツーリズム・スペースツアーズ(宇宙旅行販売、宇宙旅行関連事業、コンサルティングなど)
▽将来宇宙輸送システム㈱(革新的な宇宙輸送システムの企画・開発)
▽(一社)日本スペースロー研究会(宇宙ビジネスを取り巻く法的問題等の研究、調査、支援)
▽日本電気㈱(ITサービス事業・社会インフラ事業他)
▽富士通㈱(サービスソリューション)
▽ANAホールディングス㈱(ANAグループの経営戦略策定、経営管理およびその付帯業務)
▽㈱Dinow(DNA損傷評価技術を用いたヘルスケアサービス)
▽㈱IDDK(宇宙バイオ実験サービス事業・顕微観察システム開発事業)
▽PDエアロスペース㈱(宇宙輸送機開発事業、宇宙港事業、宇宙輸送事業)
▽SPACE COTAN㈱(北海道スペースポート運営・推進業務)
▽(一社)Space Medical Accelerator(医療分野の宇宙ビジネス支援)
▽(一社)Space Port Japan(宇宙関連産業の振興)