2023.05.01 あいおいニッセイ同和損保 モーションセンサーで孤独死検知、「見守る家主・費用利益保険(仮称)」開発 不動産賃貸管理会社・地方自治体に提供

あいおいニッセイ同和損保は4月5日、不動産賃貸管理会社向けのクラウドサービスを開発・運営する㈱ヤモリ(藤澤正太郎代表取締役)と、業界で初めて(同社による)、孤独死の予兆等を検知するセンサーを設置することで保険料を割り引く保険商品「見守る家主・費用利益保険(仮称)」を開発し、不動産賃貸管理会社・地方自治体に向け今年上期中に提供を開始すると発表した。

近年、単身高齢者世帯は増加傾向にあり、内閣府の調査によると、2015年時点では592万人だった単身高齢者世帯数は、40年には896万人に上ると推計されている。また、単身高齢者世帯の増加に伴い高齢者の孤独死も増加しており、国土交通省の統計データによると、03年時点で1441人だった65歳以上の高齢者による孤独死数は18年には3867人となり、15年間で約2.6倍増加しているという。
孤独死の増加は単身高齢者世帯の住宅確保にも影響を及ぼしており、孤独死が発生した賃貸住宅では特殊清掃やリフォーム、賃料の下落といった多くのリスクを賃貸人(以下、大家)が負担する必要があるため、大家が単身高齢者世帯に賃貸することを敬遠し、単身高齢者が賃貸住宅を借りにくくなっているという社会課題がある。
こうした背景から、あいおいニッセイ同和損保は大家向け保険商品の「家主費用・利益保険」を通じて原状回復費・家賃損失等を補償し単身高齢者の住宅確保を後押ししてきていた。今回、今後も増加が見込まれる単身高齢者世帯に対する安定的な住宅確保を後押しするため、孤独死の予兆など特定の挙動を検知した際に不動産賃貸管理会社に向けてアラートを発報するヤモリのモーションセンサー(以下、「見守りヤモリ」)を活用した新たな保険商品・サービスの開発に向け、ヤモリとの協業を開始したとしている。
「見守りヤモリ」はモーションセンサーを搭載したIoT機器で、単身高齢者の住宅に設置することで、室内での移動の有無といった生活挙動の変化から孤独死等の異常を検知。検知したデータは、ヤモリが提供する賃貸管理クラウド「管理会社のヤモリ」で24時間可視化し、異常が発生した場合はSMS等を通じて不動産賃貸・管理会社に通知が届き素早く安否確認を行うことができる。
新たな商品「見守る家主・費用利益保険(仮称)」は不動産賃貸管理会社、地方自治体を契約者とし、2023年上期の募集開始を予定。「見守りヤモリ」を設置することで入居者の孤独死自体を減少させるとともに、万が一孤独死が発生した場合には早期に発見することで、原状回復費等の軽減にもつなげる。補償内容では、賃貸住宅内で孤独死等が発生した場合に家主(被保険者)が被る損害(①空室期間に対する家賃補償、値引期間に対する家賃補償②原状回復費用、事故対応費用、事故再発防止費用)を補償する。
保険料イメージとして、1戸室・1カ月当たり200円(家賃補償に対する縮小支払割合90%、原状回復費用の支払限度額30万円。実際の保険料は支払限度額、支払限度期間や縮小支払割合等により異なる)としており、保険料割引率は10%程度を想定し、今後実証実験の結果を踏まえて決定するとしている。
同社は同商品のメリットについて、不動産賃貸管理会社にとっては▽孤独死対応業務の削減(業務効率化)▽孤独死の減少に伴う管理物件の空室率の改善▽同業他社に対する差別化▽保険料割引によるコストメリットの享受―、大家にとっては▽センサーによる孤独死自体の発生リスクの減少▽保険による孤独死等のリスクヘッジ▽単身高齢者等の入居応募枠拡大に伴う空室率の改善―、単身高齢者にとっては▽入居可能な住宅の確保・拡大▽万が一の際に管理会社が駆けつけてくれるという安心・安全の提供―のメリットを提供できるとしている。