2022.10.19 朝日生命 病気・ケガの療養に備える保険、「療養サポート」発売 30日以上の継続入院など保障

朝日生命は10月3日から、「療養サポート」(正式名:5年ごと利差配当付継続入院時収入保障保険)の販売を開始した。病気やケガの療養(継続的な療養)に伴うリスクに備えるための保険として開発した商品で、病気やケガによる入院が30日以上継続したとき、または所定の3大疾病による入院が14日以上継続したときに給付金を支払うことで、「収入の減少」「医療費の増大」に備えることができる。

「療養サポート」は①病気・ケガから回復するための療養費用を「収入保障給付金」でサポート②収入保障給付金の6カ月分を一括支払③三大疾病は14日以上、その他の病気やケガは30日以上の継続入院で支払い―の三つが特長となっている。
具体的な収入保障給付金の支払事由は、①病気やケガで30日以上継続入院したとき②所定の3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で14日以上継続入院したとき―のいずれかに該当したときで、給付金月額×6(一括支払)の収入保障給付金を支払う。支払限度は10回で、高度障害状態・災害による身体障害状態のときには、以後の保険料払込みを免除する。収入保障給付金が支払われる場合の支払事由該当日を1度目の基準日として、月単位の6度目の基準日までを給付金支払期間とする。この期間に収入保障給付金の支払事由に該当したときは、新たに収入保障給付金は支払わないなど、所定の要件がある。断続した入院は継続した入院とはみなさないが、退院日の当日または翌日に転入院または再入院した場合は、入院日数が継続したものとみなす。
また、②に該当する所定の3大疾病は、がん(上皮内がんを含むすべてのがん)、急性心筋梗塞(急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞)、脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)―となる。
契約年齢範囲は15~70歳で、取扱金額は収入保障給付金月額5~50万円。保険期間5~22年(1年きざみ)、50~80歳(5歳きざみ)。被保険者の収入等によって加入できる金額の上限が異なる。保険料払込期間は保険期間と同一。
保険料例は、収入保障給付金月額10万円、保険期間10年、月払口座・クレジットカード料率で、20歳男性800円、同女性970円、30歳男性930円、同女性1200円、40歳男性1120円、同女性1180円、50歳男性1810円、同女性1590円、60歳男性3700円、同女性2610円。
朝日生命では「療養サポート」開発の背景として、①病気やケガで働けなくなる人には健康保険の傷病手当金が支給されているが(国民健保には同制度はない)、その受給件数が年々増加傾向にある(厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料~令和元年度の医療費等の状況~」によると、2015年167万件、16年182万件、17年187万件、18年202万件、19年度212万件)②傷病手当金の平均受給期間は約169日(全国健康保険協会「令和2年度現金給付受給者状況調査報告」)で、長期間働けなくなる可能性がある③働けなくなるリスクは死亡するリスクの約3.8倍となっており、身近なリスクといえる―といった点を指摘している。約3.8倍という数字は、厚生労働省「令和2年人口動態調査」、全国健康保険協会前記報告のうち20代~50代を抜粋した同社の試算によるもので、20代で健保被保険者10万人当たりの傷病手当金受給件数は482件であるのに対し人口10万人当たりの死亡者数は37人、同30代で457件―53人、同40代で431件―119人、同50代で589件―292人―となっている。
働けなくなる要因は、「精神疾患・3大疾病・ケガ等」などさまざまで、全国健康保険協会前記報告をもとに同社が作成した資料によると、傷病手当金の受給要因の上位五つは、1位がうつ病等の精神疾患(32.7%)、2位はがん(15.6%)、3位は骨格・関節疾患(10.5%)、4位は循環器疾患(急性心筋梗塞・脳卒中等)(9.4%)、5位がケガ・骨折等(6.8%)となっている。傷病手当金の主な受給要因となる病気やケガの平均入院日数は多くが30日超で、働けない期間も長期間に及ぶ。3大疾病のうち、がん・急性心筋梗塞は平均入院日数が2~3週間程度と比較的短いものの、働けない期間が長期間となるため、退院後の就労に大きく影響する。厚生労働省「令和2年患者調査」、全国健康保険協会前記報告によると、骨折の入院期間が約38日に対し「働けない期間」は約97日、うつ病で入院期間約137日に対し「働けない期間」約212日、骨格・関節疾患で入院期間約31日に対し「働けない期間」約149日、がんで入院期間約19日に対し「働けない期間」約200日、急性心筋梗塞で入院期間約21日に対し「働けない期間」約196日、脳梗塞で入院期間約75日に対し「働けない期間」約196日(急性心筋梗塞と脳梗塞の「働けない期間」は循環器系疾患として記載)となっている。
さらに、入院1日当たりの差額ベッド代は平均6527円(厚生労働省令和3年9月「中央社会保険医療協議会総会(第488回)主な選定療養に係る報告状況」より)、食事代は同1380円(厚生労働省「平成28年4月1日から入院時の食費の負担額が変わり、新たに調理費の負担が追加されます」より)だが、健康保険適用外のため、入院が長引くほど医療費の負担が増加。差額ベッド代や食事代等を含んだ入院1日当たりの自己負担額は平均2万3300円となり、年々上昇傾向にあるという。
こうした背景から、「療養サポート」は、「病気やケガによる30日以上の継続入院」または「3大疾病による14日以上の継続入院」を保障の対象とし、病気やケガの療養による「収入の減少」「医療費の増大」に備えられる保険として開発したとしている。