2021.07.09 日本生命 第74回定時総代会開催“人・サービス・デジタル”で未来支える

 日本生命は7月2日、大阪市のリーガロイヤルホテル(大阪)で第74回定時総代会を開催した。議長の清水博社長が2020年度決算などを報告、決議事項では7議案全てが承認された。清水社長は、新たな3カ年経営計画について説明した上で、「『成長し続ける事業基盤を作り、揺るぎないマーケットリーダーに成る』という経営ビジョンの実現に向け、変化を積極的に取り込み、課題を乗り越え、成長と進化への道筋を確かにし、“人・サービス・デジタル”で顧客と社会の未来を支え続けることを目指す」と語った。

 清水社長はまず、同社の新型コロナウイルスの対応状況について報告し、病院以外の治療に関する給付金の支払いや、保険料払込猶予期間の延長などの特別取り扱いを実施した他、営業職員に対して給与補償やテレワーク等を推進したとし、「生命保険会社としての社会的使命を果たすために、お客さまの状況や気持ちに寄り添ったさまざまな対応を実施した」と述べた。
 次に20年度決算について、個人保険(新契約)は新型コロナウイルス感染拡大による活動自粛と制限に伴う販売量の減少によって年換算保険料が前年比16.2%減の2099億円、件数が同19.9%減の399万件、保障額等が同14.7%減の7兆2000億円と減少したと説明した。
 保有契約は、年換算保険料が同0.6%減の3兆7300億円となった一方で、件数は同2.0%増の3385万件と増加した。また、保障額については、同1.6%減の154兆8000億円となった。
 財務・収支の状況については、窓販領域で海外金利の低下や新型コロナウイルスの影響により、一時払外貨建保険の販売量が減少したことから、保険料等収入が同5.8%減の4兆2646億円で減収となったと報告。
 基礎利益は、同1.4%増の6565億円で増益となった。このうち資産運用収支(利差益)は、企業業績の悪化に伴う国内株式配当金の減少で同240億円減少し1965億円となったが、順ざやは確保した。保険関係収支(費差益・危険差益)は、新型コロナウイルスの影響による一時的な支出の減少によって同335億円増加し、4599億円となった。
 経常利益は、前年度比22.7%増の4310億円となった。また、特別損益として不透明感が増すマーケットに備える価格変動準備金を積み増すことで、特別損失を867億円計上した結果、当期純剰余は対前年で1420億円増加し3234億円になったと報告した。
 引き続き、20年度が最終年度となった中期経営計画「全・進―next stage―」の数量目標の状況について振り返り、顧客数、保有年換算保険料、自己資本については目標を達成したものの、グループ事業純利益は未達になったことを報告した。
 次に21年度からスタートしている新たな3カ年経営計画「Going Beyоnd―超えて、その先へ―」について説明。最も信頼される生命保険会社を目指し、顧客と社会の期待に応えるために①全ての人たちへの安心の提供②健康長寿社会づくりのけん引③持続性のある社会づくりへの貢献―の三つの観点からグループとして社会的役割をさらに発揮するとした。
 数量目標については、23年度末までに顧客数1490万人、保有年換算保険料4.55兆円、基礎利益6000億円、自己資本9兆円を目指す方針を示した。
 中長期経営ビジョンの実現に向けては、顧客数拡大を通じた「生産の早期回復・向上」と「収益力・健全性の向上」を目標に掲げ、グループ成長戦略として、国内保険市場の深耕や、グループ事業の強化・多角化、運用力強化・事業費効率化に加え、グループ経営基盤の強化、その他顧客本位の業務運営とサステナビリティ経営に取り組むとした。
 具体的な取り組みについては、国内保険市場深耕では、チャネル別に特徴のある元受保険会社をグループに取り込みグループ一体で多様化する顧客ニーズに対応するために、各社の強みを生かしたチャネル強化・拡大、商品提供を通じたマーケット開拓に加え、ウェブ販売や少額短期保険事業を通じて新たな顧客にアプローチするとした。
 また、営業職員チャネルの高度化に向け、フェイス・トゥ・フェイスにオンラインを組み合わせた活動モデルの構築や育成体制・方式のさらなる高度化、顧客との接点機会の拡大に加え、「みらいのカタチ」の商品ラインアップの拡充や低金利下での資産形成商品の安定供給を行うとした。
 さらに、顧客とのつながり強化に向けて、1年に1回営業職員等が契約内容や入院・手術の有無を確認する「ご契約内容確認活動」の展開に加え、ホームページやアプリで可能な手続きの拡充を進めるなどのウェブサービスの高度化を進める。高齢者等の課題については、契約関係者(被保険者・受取人など)との接点づくりを実施するとした。
 この他、21年4月に少額短期保険会社の認可取得に向け準備会社を設立し、若年層等に生命保険・損害保険にまたがる独自性のある商品を提携企業に販売することで、新たな顧客にアプローチする考えを示した。
 グループ事業の強化・多角化については、海外生命保険事業では、成長し続ける収益基盤の確立と長期安定的な収益の獲得を目指し、オーストラリアのMLC Limited(MLC)の収支改善など既存出資先の安定成長や新たな出資機会の検討の継続などによる事業ポートフォリオの強化に加え、国際的な規制強化を見据えた経営管理を実施するとした。
 また、AIを活用したコンサルティングや商品開発、RPA活用による事務の自動化・効率化に加え、簡易血糖チェックプランや生活習慣改善アプリの提供、保育所仲介サービスの拡充、シニアの就業機会提供に向けた取り組みの他、「Nippоn Life X」での社内起業プロジェクトなどに取り組むことで新規事業の創出を目指すとした。