2019.12.02 明治安田生命 2019年第2四半期決算、引き続き高い収益性維持

明治安田生命が11月22日に発表した2019年第2四半期(上半期)決算によると、グループ・明治安田生命単体共に減収減益だった。グループ保険料(連結損益計算書上の保険料等収入)は、1兆4584億円と前年同期比6・5%の減収、明治安田生命単体は米国金利低下の影響などによる外貨建一時払保険の販売減少により、1兆3008億円と同7・5%の減収となった。グループ基礎利益は団体保険の保険料引き下げなどの影響により明治安田生命単体で減益したことに伴い、3123億円と同1・4%の減益となったものの、グループでは計画を上回る水準を確保しており、引き続き高い収益性を維持した。

グループ保険料1兆4584億円のうち、海外保険事業等は前年同期比2・1%増の1576億円となった。うちスタンコープ社は同2・3%増の1451億円。グループ保険料に占める海外保険事業等の割合は10・8%。
グループ基礎利益3123億円のうち、海外保険事業等は同32%増の337億円で、うちスタンコープ社は同34・7%増の244億円。グループ基礎利益に占める海外保険事業等の割合は10・8%と順調に推移した。
連結の経常収益は、同5・1%減の2兆351億円、経常費用は同3・1%減の1兆8766億円、経常利益は同24・1%減の1584億円、親会社に帰属する中間純剰余は同15・5%増の1283億円だった。連結ソルベンシー・マージン比率は前年度末差44・5ポイント上昇し、1084・6%と引き続き高い健全性を維持している。
明治安田生命単体の業績は、保険料等収入が前年同期比7・5%減の1兆3008億円となった。米国金利低下の影響等による外貨建一時払終身保険の販売減少が主因となった。
新契約年換算保険料は同29・9%減の502億円。チャネル別内訳では、営業職員チャネルが同27・3%減の436億円、そのうち平準払保険は、2019年4月に発売した「ベストスタイル健康キャッシュバック」の貢献等により、同1・1%増の6163億円となった。銀行窓販チャネルが同47・1%減の55億円。新契約年換算保険料のうち、第三分野は、同31・9%減の194億円となった。
保有契約年換算保険料は前年度末比0・9%減の2兆2457億円。このうち、営業職員チャネルは同0・3%減の1兆6390億円、銀行窓販チャネルは同2・5%減の5606億円だった。
団体保険の保有契約高は、前年度末比0・4%増の116兆2421億円、団体年金保険は同0・9%増の7兆7612億円となった。
基礎利益は、団体保険の保険料率引き下げの影響等により危険差益が136億円減少したことから、前年同期差114億円減の2854億円となった。
資産運用収支(一般勘定)は、株価下落や円高の進行に伴う有価証券評価損の拡大による資産運用費用の増加が主な要因となり、3215億円と前年同期差406億円減少した。利息及び配当金等収入は同187億円増の4250億円。運用手法多様化の一環として投資している外債投信からの分配金増加と外国公社債の積み増しによる利息の増加等がプラスに寄与した。
ソルベンシー・マージン比率は、内部留保の積み増しや国内劣後債の発行等により、前年度末から34・2ポイント上昇して1017・5%となった。
契約クオリティを示す指標は、対面での「定期点検」等を通じた積極的なアフターフォローにより引き続き良好に推移し、解約・失効・減額率は、前年同期差0・11ポイント上昇し、1・99%となった。総合継続率は13月目が同0・4ポイント低下の94・5%、25月目が同0・7ポイント低下の88・9%。
経常収益は前年同期比6・2%減の1兆8207億円だった。経常費用は同3・6%減の1兆6757億円で、このうち保険金等支払金は同2・3%増の1兆1160億円、責任準備金等繰入額は同42・9%減の1660億円、資産運用費用は同39・1%増の1512億円。経常利益は同28・3%減の1449億円、中間純剰余は同9・2%増の1197億円となった。
スタンコープ社の保険料等収入は、主力の団体保険事業が順調に推移し、同2・3%増収の1451億円、基礎利益相当額は、団体保険事業の給付率低下による収益改善を主因に、同34・7%増益の244億円となった。当期純利益は同55・1%増加の155億円だった。
2019年度の業績見通しは、グループ・単体共に保険料等収入・基礎利益が「横ばい」となる見通し。保険料等収入は、米国金利低下の影響等による外貨建一時払保険の販売減少を主因に、グループ・単体共に「増収」から「横ばい」へ修正となった。基礎利益は、外債投信からの分配金増加やスタンコープ社の業績好調等により、グループ・単体共に「減益」から「横ばい」に上方修正し、過去最高益となった18年度と同水準となる見通しとした。