2019.01.11 損保ジャパン日本興亜 ミャンマーで「天候インデックス保険」 パイロットプロジェクト開始、衛星リモートセンシング技術活用

 損保ジャパン日本興亜は、2018年12月から、ミャンマーの保険会社であるMyanma Insurance(ミャンマインシュランス)と、主に農業従事者向け融資を行うMyanma Agricultural Development Bank(MADB)と共に、ミャンマーにおける「天候インデックス保険」のパイロットプロジェクトを開始した。同保険では、農業従事者を対象に、干ばつ(雨季の少雨リスク)を補償。損保ジャパン日本興亜は、テクニカルアドバイザーとしてサポートを行う。

 同パイロットプロジェクトの概要は次の通り。
 ▽保険対象者(被保険者):対象地域の農業従事者
 ▽対象作物:米
 ▽対象地域:ミャンマーの中央乾燥地帯であるピー・タウンシップ(バゴー管区)およびシュエボー・タウンシップ(ザガイン管区)
 ▽対象リスク:干ばつ(雨季の少雨リスク)
 ▽補償内容:人工衛星からの気象情報を基に推定された雨量が、あらかじめ設定した値を下回った場合に、事前に定めた金額を保険金として支払う。
 ▽引受保険会社:ミャンマインシュランス
 ▽販売元:MADB(MADBによる農業従事者向けシーズナルローン申込者のうち、「天候インデックス保険」への加入を希望する農業従事者向けに販売)
 ▽テクニカルアドバイザー:損保ジャパン日本興亜
 ミャンマーでは、気候変動によって干ばつや洪水などの自然災害が多発しており、主要産業である農業に多大な被害をもたらしている。損保ジャパン日本興亜では、気候変動による農業従事者の経済的な損失への対応策として、「天候インデックス保険」の開発を行ってきた。
 これまでミャンマーでは、気象観測のためのインフラが必ずしも十分に整備されておらず、「天候インデックス保険」の開発に当たって大きな課題となっていたが、このほど、衛星リモートセンシング技術(注)を活用することによってこの課題を解決し、ミャンマインシュランスおよびMADBと共にパイロットプロジェクトを開始するに至った。
 損保ジャパン日本興亜は、同パイロットプロジェクトのテクニカルアドバイザーとして、「天候インデックス保険」をサポートすることにより、ミャンマーの農業のさらなる発展に貢献していくとしている。

 (注)人工衛星に搭載した観測機器(センサ)を使い、離れた位置から地球表面等を観測する技術。