2018.07.17 日本生命 第71回定時総代会開催、経営基盤強化へ方針

日本生命は7月3日、大阪府大阪市のリーガロイヤルホテルで、第71回定時総代会(出席者184人、委任状提出16人)を開催した。総代会で清水博社長は、2017年からスタートした中計「全・進―next stage―」の2年目の指針として、「成長し続ける事業基盤をつくり、揺るぎないマーケットリーダーに成る」という新たな経営ビジョンを掲げた。変化を積極的に取り込み、「お客さま」と社会に誠実に向き合う顧客本位の業務運営を主軸に、①収益性②業務と事業の変革③グループ経営の推進―の3点の戦略とそれを支える経営基盤の強化に取り組む方針を示し、「目標の実現に向け、グループの総力を結集して取り組んでいく」と決意を表した。

 総代会では、①17年度事業報告、貸借対照表、損益計算書、基金等変動計算書、連結貸借対照表、連結損益計算書および連結基金等変動計算書報告②評議会に対する諮問事項およびニッセイ懇話会開催結果報告―が行われた他、会社側から5議案が提出され全て承認された。
 17年度決算報告では、個人保険の新契約について、17年4月発売開始の経営者向け商品「プラチナフェニックス」をはじめとした商品の販売量は大きく増加したものの、17年4月に保険料値上げを実施した商品の販売量の減少が影響し、年換算保険料と販売件数が共に減少、保障額は大幅な減少となった。
 一方、個人保険の保有契約は、着実に増加しており、年換算保険料は7年連続、件数は6年連続で増加した。顧客数は新商品の投入やアフターフォローに注力したことで増加したが、新契約が減少した影響で増加のペースは鈍化した。
 企業保険の保有契約は、団体年金の分野で、17年4月に発売した確定給付企業年金保険が好評で増加となった。
 収支・財務の状況は、新商品の積極的な販売と顧客ニーズが高い外貨建変額保険を投入したが、メーンマーケットの外貨建定額保険の販売量が他社との競争激化によって減少したことで、保険料収入は減少となった。
 基礎利益は、外国債券利息の増加や株式配当金の増加により、8年連続で順ざやを確保。保険関係収支(費差益・危険差益)は、プラチナフェニックスの販売関係費用の増加により減少したが、「減少の原因は、契約初年度に経費が多く発生する生命保険商品の特徴によるもので、長い保険期間を通じて、収益は発生すると見込んでいる」と説明した。
 続いて、経営課題への取り組みとして、収益力強化へ向け、営業職員チャネルを強化するための長く働き続ける営業職員の育成に向けた「人材育成」、コンサルティング力の強化や顧客の利便性・サービスの向上、働き方の変革推進に向けた「携帯端末の刷新」と「活動スタイルの変化」について報告した。
 具体的には、18年4月の保障性商品の値下げや特定重度疾病保障保険の発売、成長度合いに応じた育成の実現、営業職員の最長育成期間の延長(5年間)、携帯端末のカメラ機能の活用、拠点外での活用を可能にする機能の強化、ロケーションフリーな働き方の実現に向けた環境整備の概要を説明した。
 業務と事業の変革については、業務効率化やサービス強化、生産性向上に向けたAI・RPAの活用促進や、保険事務の自動処理の拡大、ビッグデータを使った資産運用の高度化に注力する他、先端ITのさらなる進化を見据えた「イノベーション開発室」を設立して、全く新しいビジネスモデルの創造を目指すとした。
 グループ経営の推進に向けた国内保険事業の取り組みは、契約者の利益増大を目的に、三井生命の営業職員への学資保険の供給開始や代理店商品を提供する新会社の設立、富裕層への訴求に強いマスミューチュアル生命との経営統合を報告し「窓販領域での迅速で幅広い商品開発や効果的な金融機関サポート体制を実現させる」との考えを示した。
 さらに同社グループは、日本に加え、欧米、アジア・太平洋の3極で保険事業とアセットマネジメント事業の海外展開を積極的に進めている。同社のノウハウを活用した出資先のサービス拡充と成長の促進により、配当収入増加や事業基盤の分散によるリスク分散効果を通じた配当の充実や健全性の向上に努めていくと展望した。