2018.04.06 第一生命グループ 新中期経営計画策定、国内3ブランド+αへ

第一生命ホールディングスは3月29日、2018―20年度中期経営計画「CONNECT2020(ニセンニジュウ)」を発表した。第一生命グループではこれまで、「事業基盤の拡大・分散」を進め、前中期経営計画「D―Ambitious」では、グローバル3極体制を確立し、持株会社体制へ移行するなど、ガバナンスの強化も行ってきた。「CONNECT2020」では、「確立した事業基盤を活かした収益力の一層の強化」に取り組むフェーズへと移行。「国内3ブランド+α」を狙うとともに、米・豪での利益成長拡大等を図る。経営目標として、グループ修正利益が20年度2500億円程度、グループ新契約価値が同2300億円程度を掲げた他、EV成長率(ROEV)が中長期的に平均8%成長、資本充足率(経済価値)が中長期的な時間軸で170~200%程度を目指す。

 「CONNECT2020」では、前中期経営計画で確立した三つの成長エンジン(国内生保事業、海外生保事業、資産運用・アセットマネジメント事業)を、「CONNECT(つながり・連帯・協働)」の視点から強化することで、さらなる成長を目指していくことを基本戦略とする。この戦略を通じ、これまでの保険ビジネスの枠組みを超え、あらゆる人々のQOL向上へ貢献していくことで、人々や社会に選ばれ続けるグループとなることを目指す。
 国内生保事業では、確固たる成長実現に向け、マルチブランド・マルチチャネル体制の拡大・進化に取り組む。3月に発売した必要な保障を組み合わせて加入する「ジャスト」や契約時に健康診断書等を提出した顧客の保険料を割り引く特約「健診割」などで新たな付加価値を提供するなど、国内3ブランドでQOL向上を訴求する商品戦略を展開。InsTechを活用した疾病予防・重症化予防等の支援サービスも提供する。また、商品・サービスの相互活用拡大に加え、「3ブランド+α」も視野に取り組みを加速。生涯設計デザイナーのコンサルティング力強化、顧客接点の質的向上に向けた営業拠点の増強に加え、代理店チャネルの積極拡大等によりマルチチャネル化を進め、日本調剤やマツモトキヨシなど異業種も含めた外部とのパートナーシップも拡大する。国立がん研究センターや国立国際医療研究センターなど五つのナショナルセンターとの連携を基にした情報提供も強化する。
 海外生保事業では、引き続き各国事業の拡大・進化で高成長を堅持してグループ全体の成長をけん引し、米国やオーストラリアなど安定市場では持続的成長を通じてグループへの利益貢献を拡大する一方、成長市場ではベトナムを筆頭に高いトップライン成長により、市場シェア拡大を追求する。また、カンボジアやミャンマーなどメコン地域を中心としたアーリーステージ諸国にも進出を図る。
 アセットマネジメント事業では、日米欧3極グローバル展開で市場成長を享受した利益拡大を目指すとともにジャナス・ヘンダーソンと第一生命の共同商品開発等、グループシナジー創出を進展させる。
 イノベーションの創出については、22年度までに顧客手続きの85%をデジタル化、社内の3000業務をロボティクス化する等、顧客利便性・生産性の向上を図る。ビッグデータ解析による、さらなる加入可能範囲の拡大や新商品開発にも着手し、新たな市場・競争軸を生むイノベーション創出に向け、東京・シリコンバレーに新設するラボ組織を核に研究開発を加速。InsTechによる事務オートメーション化等で約2100人の業務を営業部門も含めた国内外の成長分野へシフトする。
 これらの取り組みにより、グローバル保険会社に比肩する利益成長を実現し、株主還元もこれにふさわしい水準を維持するとしている。