2018.03.23 損保協会 定例会見、第8次中期基本計画概要発表、四つの方向性定める

損保協会は3月16日、業界紙向けの定例記者会見を行い、第8次中期基本計画(2018~20年)の概要と18年度の事業計画を発表した。第8次中期基本計画では、損保業界が顧客を支えるリスクの担い手として社会的役割を発揮していくため、過去100年の損保業界発展の基軸と今後10年の環境認識を踏まえ、目指すべき四つの方向性を定めるとともに、3カ年でそれぞれの方向性における重点課題と重点施策に取り組む。また、18年度の事業計画では、第8次中期基本計画に定めた方向性に従い、損害保険の普及啓発や理解促進に資する事業など7事業に取り組む方針を示した。

 第8次中期基本計画では、「環境変化への迅速・的確な対応」「お客さま視点での業務運営の推進」「より強固で安定的な保険制度の確立」「国際保険市場におけるさらなる役割の発揮」の四つの方向性を定め、それぞれの方向性において3カ年で取り組む重点課題と重点施策を掲げた。
 「環境変化への迅速・的確な対応」では、技術革新、多様化・巨大化するリスク、超高齢化など社会環境変化への対応を重点課題に掲げた。その重点施策として、自動運転技術の進展状況やその他ニューリスクに備えた態勢整備、高齢者の交通安全・防災に資する啓発活動の強化などに取り組む。
 「お客さま視点での業務運営の推進」の重点課題は、保険会社・代理店の業務品質向上、顧客のリスク意識の啓発、顧客との対話強化。その課題解決に向けた重点施策として、保険会社の業務品質水準の向上に向けた事例共有、自然災害への自助・共助の意識醸成に向けた対応の強化などを図る。
 「より強固で安定的な保険制度の確立」では、大規模地震の発生に備えた態勢整備と不正請求防止対策の強化を重点課題に掲げた。大規模地震損害調査態勢を強化する他、不正請求防止のためのシステム構築・活用などを推進する。
 「国際保険市場におけるさらなる役割の発揮」の重点課題には、国際基準への適切な対応、各国市場における競争条件の公正・公平化への対応、新興国市場に対する各種支援の強化、重点施策には、国際基準の検討に対する働き掛けの強化やアジア各国との交流活性化と各国損害保険制度への貢献・支援などを掲げた。
 18年度の事業計画では、①損害保険の普及啓発・理解促進②損害保険契約者等からの相談対応、苦情・紛争解決③損害保険業の業務品質向上④損害保険業の基盤整備⑤事故、災害、犯罪の防止・軽減⑥損害保険業に関する研修、試験や認定等⑦その他同協会の目的達成上必要と認めた事業―の7事業を推進する。
 具体的には、損害保険の普及啓発・理解促進に向け、消費者教育の在り方・効果的な手法を検討する他、地震保険や自賠責保険の広報活動などを行う。損害保険契約者等からの相談対応、苦情・紛争解決では、損害保険相談・紛争解決サポートセンター(そんぽADRセンター)の運営、損害保険業の業務品質向上では、「お客さまの声・有識者諮問会議」の運営やガイドラインの作成・改訂などに取り組む。
 損害保険業の基盤整備では、損害調査業務基盤の整備や新技術を活用した業務の共通化・標準化・効率化を推進する他、新技術の進展に伴う新たなリスクに関する研究・整理などに取り組む。事故、災害、犯罪の防止・軽減に向けては、不正請求対策や交通事故防止啓発、反社会的勢力の排除に向けた対応などを実施する。また、損害保険業に関する研修、試験や認定等の事業では、代理店試験や損害保険大学課程の運営などを行うとともに、代理店の体制整備等を促進する取り組みなどを行う。
 会見ではこの他、3月31日付でイーデザイン損保の稲寺司氏、明治安田損保の遠藤宏歳氏が理事を辞任し、4月1日付で新たにイーデザイン損保の桑原茂雄氏、4月2日付で明治安田損保の酒井明夫氏を選任することを明らかにした。
 また、防災情報サイト「そんぽ防災ウェブ」を3月15日に開設したことや、3月7日に総務省消防庁主催の「自治体消防制度70周年記念式典」が開催され、同協会の防災事業である「消防自動車等の寄贈」「全国統一防火標語による啓発活動」に対し、総務大臣から感謝状が贈呈されたこと、災害等発生時行動基本計画を改定したことなどを報告した。