2018.01.31 Chubb少額短期保険 孤独死発生時の補償拡充

 Chubb少額短期保険は2月1日から、借用住宅の入居者向けに家財の保険と賠償責任保険をセットにした商品「マイルームプラン」の新たな特約商品として「孤独死発生時の補償を拡充した特約」を販売する。同特約は、入居者の死亡による汚損損害や残置物損害について、入居者(被保険者)に賠償責任が生じる場合の被害者(貸主)請求を新特約付帯によって可能とする。また、従来の保険では、死亡による汚損損害についての補償限度額は30万円だったが、新特約を付帯することで限度額を50万円に、残置物損害についても別枠で50万円の補償を可能とする。篠原俊裕社長は「同特約は当社と既に取引のある代理店のニーズに応えるとともに、代理店の開拓にも効果を発揮する」と話す。

 「マイルームプラン」は借用住宅の入居者を対象として新・家財総合保険と賠償責任保険をセットした保険。新・家財総合保険は、保険申込書に記載された借用住宅に収容されている被保険者の家財を保険の対象として、火災など偶然な事故により、保険の対象が損害を受けたときに保険金を支払う。賠償責任保険は、被保険者が失火等によって借用住宅を損壊し、その貸主に対して法律上の損害賠償責任を負担したときや、被保険者が借用する住宅の使用もしくは管理または日常生活に起因する偶然な事故で、他人の身体の障害または財物の損壊が生じ、法律上の損害賠償責任を負担したときに保険金を支払う。
 同社は、借用住宅の入居者向けに保険を販売している中で、孤独死が増加し、社会問題となっていることに対応。費用保険の形で、借用住宅内における被保険者の死亡を原因とする借用住宅の汚損損害を補償してきた。
 しかし、同社が行っている代理店を対象とするアンケート調査で、入居者(被保険者)が死亡したときの補償について、賠償責任が生じる場合でも相続等の問題で保険金支払いができなかったケースがあることや、死亡事案によっては、従来の30万円の限度額を超える損害が認定されたケースも増えてきていることから、こうした事案にも対応できるように商品を改善する必要性が高まっていることが分かり、新たに特約を提供することとした。
 入居者(被保険者)に賠償責任が生じる場合の被害者(貸主)請求については、自賠責保険で被害者からの直接請求が可能になっている仕組みを取り入れて、「マイルームプラン」の賠償責任保険の中で、入居者の死亡によって汚損損害、残置物損害を被った貸主からも請求ができるようにした。
 営業統括部兼業務統括部の吉田傑氏は「マーケットからの要請に応えることができるように特約の内容を充実させた」と言う。
 販売プランは、従来の「ベーシックプラン」・「スペシャルプラン」に、死亡補償を充実させた「ワイドプラン」と、全ての特約を付けた「パーフェクトプラン」を加える。販売チャネルは従来通り、不動産管理会社を中心とした代理店となる。
 営業統括部の馬場信二統括部長は「既存契約から新特約を付帯した補償への切り替えに注力するとともに、借用住宅への新たな入居者に対して、しっかりと販売していく。新規挙積で従来の20%増を目指す」と話す。
 新特約の販売開始に合わせて、「マイルームプラン」の商品内容などを解説する保険ハンドブックを刷新。新特約に関する分かりやすい説明を盛り込んだ他、顧客、代理店双方の商品内容への理解促進を図るために、イラスト、例示を多用している。
 同社は2015年12月1日から「マイルームプラン」に修理費用拡張補償特約を付加し、商品改定を行った。今回の新特約はその第2弾となる。これまで「マイルームプラン」の販売は順調に伸びてきている。
 篠原社長は「当社は商品、スキーム、体制の3項目に関する取り組みが成果を挙げ、盤石な経営基盤を築いている。今後も賃貸借マーケットのウェブ化などに対応できるように事業を展開していく」と意欲を示している。