2017.12.18 あいおいニッセイ同和損保 国内初、運転挙動反映型テレマ自動車保険

あいおいニッセイ同和損保は、トヨタ自動車(トヨタ)が展開するコネクティッドカーを対象に、テレマティクス技術で取得した走行データに基づき、毎月の安全運転の度合いを保険料に反映する自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」を開発し、2018年1月(保険責任開始は18年4月)から販売を開始する。テレマティクス技術を活用して安全運転の度合いを保険料に反映する仕組みは日本国内では初となる。同社商品企画部企画グループの梅田傑担当次長は「今後も車両ビッグデータを活用したテレマティクス自動車保険の開発を積極的に展開していく」と語る。

 「タフ・つながるクルマの保険」は、トヨタが展開する「コネクティッドカー」から取得できるさまざまな走行データに基づき、テレマティクス技術を活用した「安全運転のインセンティブ(割引)」と、全てのドライバーに役立つ「安全・安心のサービス」を提供するもの。
 同社では、①楽しむ②得する③見守る―の三つのコンセプトを掲げており、「楽しむ」では、安全運転をスコア化することで目に見えるという新しい楽しさを、「得する」では、可視化した安全運転スコアに応じて保険料を割り引くサービスを、「見守る」では24時間365日いつでも見守られているという安心感を提供する。
 契約者には、1回の運転ごとに運転内容を振り返る「ドライブレポート」と、月に1度保険料の割引率などが確認できる「マンスリーレポート」の2種類のレポートが提供され、運転内容に応じた安全運転アドバイスを受け取ることができる。
 ドライブレポートの中で表示されるドライブレポートマップでは、速度超過や急ブレーキなどのあった地点を表示し、契約者が自分の運転を客観的に振り返ることができるよう工夫した。また、自動車の予防安全装置の作動状況やタイヤの空気圧の低下など、自動車のアラーム情報も表示する仕組みを構築した。
 保険料は基本保険料と運転分保険料で構成されており、運転分保険料は毎月の安全運転スコアと走行距離で算出される。安全運転スコアは、スピード・アクセル・ブレーキの三つの運転挙動に基づいて計算され、100点満点中80点以上で運転分保険料が80%、60~79点で40%割り引かれ、59点以下は割引なしの3段階となっている。
 運転分保険料のもう一つの指標となる走行距離は年間2万キロが上限となっており、それを超える部分の運転分保険料は請求されない。さらに、仮に2万キロ走行する場合でも、80点以上の安全運転であれば、同社の従来商品と比べて保険料は安くなる。
 また、コネクティッドカーならではのサービスとして、自動車から大きな衝撃を感知した際に、同社の専用コールセンターに自動的に情報が連携され、安否確認の連絡が届く「緊急時リアルタイムサポート」を提供。さらに、日常の運転挙動や、事故に関する情報を離れた場所にいる家族に知らせる「あんしん見守りサポート」も付帯することで家族のつながりもサポートする。
 18年12月以降には、走る楽しさを体感するエンターテイメントサービスとして、安全運転スコアによる全国ランキングや、同車種・同年代・同都道府県でのランキングも実施する予定で、スコアやランキングに応じて景品をプレゼントする「安全運転キャンペーン」も企画している。
 梅田氏は開発に当たって、「トヨタ自動車との共同開発ということもあり、走る喜びと一体となり、楽しみながら安全運転に取り組んでもらえる商品を目指して開発に取り組んだ」と振り返る。今後については「将来的にコネクティッドカーが増えていけば、こうした商品が主流になる可能性は高い。当社は国内におけるテレマティクス自動車保険のパイオニアとして、国内外で蓄積したノウハウを生かし、今後も安全・安心に資する商品を開発していきたい」と展望する。
 ※対象車両:トヨタ車については18年夏頃以降に発売予定の「クラウン」より順次拡大。レクサス車は18年1月以降販売の新車全車対象(HS・LCを除く。既販売車も一部対象車あり)