2017.11.30 住友生命 17年度第2四半期決算、第三分野ANPが増加

 住友生命が11月24日に発表した2017年度第2四半期決算によると、連結保険料等収入は前年同期比21.7%減の1兆3501億円と減収となった。グループ基礎利益は同23%増の1683億円で増益を確保した。グループの新契約年換算保険料は同13.8%減の1234億円で、保有契約年換算保険料は前年度末比0.8%増の2兆7626億円だった。

 住友生命単体の新契約年換算保険料は貯蓄性商品の前年の販売実績が高水準であった影響等によって、前年同期比40.7%減の679億円となった。15年9月に発売した就労不能保障「1UP」は、累計販売件数75万件を突破。「1UP」の好調もあり、第三分野の新契約年換算保険料については同10.2%増の226億円と2桁の伸びを示した。
 営業職員チャネルの業績を契約者の年代別に見ると、若年層(30歳未満)に対する保障性新契約件数が同28.7%増の9万8000件となり、新契約件数に占める若年層の割合も前年同期の31.5%から、17年度上半期は34.9%に上昇した。将来を見据え、若年層へのアプローチが大きな課題となっている中、「1UP」の訴求力によって成果が出ているという。
 保有契約年換算保険料は前年度末比0.2%増の2兆3298億円となった。第三分野の保有契約年換算保険料は、同1.4%増の5402億円だった。13月目保険契約継続率(営業職員)は前年同期比0.2ポイント上昇し、96.6%、25月目が同0.4ポイント上昇し、92.4%となった。
 保険料等収入は貯蓄性商品の販売減少等により、1兆2662億円と同23.9%減少した。基礎利益は外国債券の積み増しや、円安等による利息収入の増加等があった他、貯蓄性商品の反動減を受けた代理店手数料の減少等もあって、同19.7%増の1601億円となった。変額年金保険に係る標準責任準備金等の影響を除いた実質的な基礎利益は、前年同期比9.5%増の1582億円だった。
 利息及び配当金等収入は外国債券の積み増しや円安に伴う利息収入増加等により、同6.5%増の2964億円となった。順ざやは、同187億円増加の226億円だった。ソルベンシー・マージン比率は前年度末比46.8ポイント上昇し、873.7%と引き続き十分な水準を維持している。価格変動準備金等の積み増しや劣後特約付社債の調達による財務基盤の強化などによる。
 シメトラ社の新契約年換算保険料は前年同期比100.7%増の516億円、保有契約年換算保険料は前年度末比4%増の4025億円、保険料等収入は前年同期比48.6%増の703億円、基礎利益は同59.3%増の145億円といずれの指標も順調に伸びている。新契約年換算保険料はグループ合計の4割超を占め、住友生命における減少分を相当程度補った。
 住友生命は主力の営業職員チャネルで、11年度からブランド戦略を基軸に営業職員体制の強化に取り組んでいる。進化を続けるコンサルティングやサービスを土台として多様化する顧客ニーズに対応した先進の商品を開発・提供。17年度第2四半期には、「1UP」が販売累計75万件を突破した他、新しい法人向け商品も好調なスタートを切るなど、成果が表れている。18年夏の発売を目指し、南アフリカの金融サービス会社ディスカバリー社、ソフトバンクと共に、健康増進型保険「Vitality」を開発中。コンサル面でのインフラ強化も合わせて、さらなる飛躍を目指す考え。
 銀行窓販は低金利環境下においても、安定的に商品を提供。本年度は外貨建て一時払商品を投入した。貯蓄性商品の販売の落ち込みが大きい中、外貨建て一時払商品は想定以上の売れ行きとなっているという。
 メディケア生命は商品ラインアップの拡充等を通じ、17年7月には保有契約50万件を突破した。保険ショップは17年9月末には関西エリアを中心に拡充し、93店舗へ拡大した。
 資産運用については、下半期運用方針として、①リスクテイクによる収益向上②新たな運用手段の段階的導入③株式ポートフォリオの収益力向上―の三つを柱とする。外国社債への投資などはシメトラ社とのシナジーが発揮できる分野であり、グループ全体で高度化に取り組む。
 海外事業については、高い成長性が期待できるアジア地域と、安定した収益力を持つ米国シメトラ社を加えたバランスの取れた海外事業ポートフォリオの中で、専門部署間の交流や人材育成等、各海外企業とのシナジー効果を発揮しつつ、グループ全体の成長を目指していく。