2017.10.16 全信中協 事業性損害保険 取扱いへ、売れ筋商品の変化に対応

 全国信用組合中央協会(全信中協)は、11月をめどに会員信組における事業性損害保険の取り扱いを開始する。さらに、来年1月1日~3月31日には「しんくみ医療保険キャンペーン」を実施することも決めた。これらは、信組保険窓販の中心商品だった一時払個人年金の販売停止や今年4月の標準予定利率引き下げなどへの対応策として検討してきたもので、保険会社との一層の関係強化も図る方針だ。

 全信中協が推進する事業性の損保商品とは、同協会が会員となっている「全国中小企業団体中央会」(以下、中央会)の補償保険制度で、中央会が保険契約者となる団体保険のこと。
 具体的には、労災保険の上乗せ商品として人気の高い「業務災害補償制度」で、今回スタートするのは損保ジャパン日本興亜の商品(中央会と包括契約を締結している損保会社は合計で4社)。「個別加入より約30%割安」「従業員の労災事故による経営者側への賠償請求も補償」「うつ病による自殺や過労死等の新型労災にも対応」などの特徴がある。さらに、オプションにより、パワハラ・セクハラ行為、不当解雇、雇用上の差別に伴う企業・役員への賠償請求も補償する。希望する信組には、損保ジャパン日本興亜による詳しい説明も提供するという。
 一方、来年展開する「しんくみ医療保険キャンペーン」の対象となるのは、同協会が推奨する3社の5商品で、医療保険全体において前年同期比1.5倍の契約件数を見込む。既存4商品は、アクサ生命の「しんくみプライム60」「しんくみOKメディカル」、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「新・健康のお守り」「新・健康のお守りハート」で、さらに、今年9月に推奨商品に追加した三井住友海上あいおい生命の「&LIFE新医療保険Aプラス」も加わる。
 キャンペーンに参加できるのは、期間中に対象保険商品を新規に申し込んだ契約者で、抽選実施時(予定は2018年7月)の契約継続が条件となる。抽選で200人に「しんくみネット」(注)に掲載の加盟店5店5商品の中から3500円相当の品をプレゼントする予定だ。
 業務支援部の水田潤志考査役は、「これらの施策で契約増を目指すと同時に、保険を取り扱う信組の拡大も図る。業務災害補償制度は、信組の主要会員(組合員)である中小企業からの関心も非常に高いことから拡販が期待できる。また、キャンペーンでは、該当の医療保険を提供している27信組(17年9月末時点)は自動エントリーとなり、これから参加を希望する信組は保険会社への新規登録の申請などが必要だが、ぜひ検討してほしい」と話す。
 本年度の二つの新施策については、11月に東京・大阪で開催する業務推進会議などでアピールし、販売を促進する方針だ。
 (注)「しんくみネット」とは、信用組合の組合員が経営する店舗・事業を紹介する、組合員による組合員のための加盟店情報サイトのこと。