2017.10.10 住友生命とNEC 新型タブレット共同開発、高精度の顔認証機能搭載

 住友生命と日本電気(NEC)はこのほど、住友生命の営業職員(スミセイライフデザイナー)向けに新しいタブレット端末を開発したと発表した。NECの高精度の顔認証AIエンジンを搭載し、厳格なセキュリティー対策を実現した。住友生命は2018年にIoTを活用した新商品の発売を予定。同年7月から、順次、約4万台の新型タブレットを導入することにしており、ペーパーレス化や各種画面の見直しなどで、顧客へのサービス向上や営業職員の働き方改革を図る。

 新型タブレットには、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の一つで、世界ナンバーワン(注1)とされる認証精度を有するディープラーニング(深層学習)技術を取り入れた顔認証AIエンジン「NeoFace」を採用。営業職員がタブレット端末へアクセスする際に、これまでのID・パスワード認証に加えて、顔による認証を導入し、アクセスを厳格化した。
 また、営業職員が顧客に提案する保険設計書や顧客に記入してもらう申込書類などは、これまで紙による手続きがほとんどだったが、新型タブレットにより、保険契約に関する各種手続きが電子化。顧客と一緒に、その場で画面を見ながら「保障内容の確認・見直し」から「申込み手続き」までスムーズに完結するため、顧客の負担軽減につながった。
 顧客や営業職員にストレスを感じさせない画面構成・展開にも配慮し、より分かりやすくスムーズに対応・手続きができるよう工夫。住友生命では、新型タブレット端末導入に当たってプロジェクトチームを結成し、試作機を製作して営業現場の声や社外専門家の意見などを踏まえながら、使いやすさを追求したとしている。顧客一人一人の立場や使用場面に合わせた画面の構成や展開にすることで、操作性を飛躍的に向上させたという。
 携帯性と耐久性も重視し、10時間駆動の大容量バッテリーやLTEモジュールを搭載した12.3インチクラスのタブレット端末にもかかわらず、重量は約740グラムと軽量化に成功。高度な処理パフォーマンスと省電力性を両立したインテル(R)Core(TM)プロセッサーを搭載し、OSにはWindows10Proを採用した。薄さ8.9ミリのスリム設計や150kgf耐圧(注2)など、軽くて薄く丈夫な端末として、顧客や営業職員が長く愛用できる端末となることを目指した。
 住友生命では18年に、IoTを活用し、顧客がより健康になることをサポートするウェルネスプログラムを組み込んだ健康増進型保険「Vitality」の発売を予定しており、今後、新型タブレットを使ったコンサルティング&サービスで、積極的に提案していく考えだ。
 またNECは、AI・IoTなどの最新ICT技術を活用した業務革新を目指し、金融業界をはじめとした社会全体のイノベーションの加速に貢献していくとしている。
 (注1)「NEC、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術ベンチマークテストで4回連続の第1位評価を獲得」(http://jpn.nec.com/press/201703/20170316_01.html)。顔認証AIエンジンは、空港の出入国審査やスタジアムの入場者チェックなどで導入実績がある。
 (注2)天面全体へ均等に150キログラムの面加圧を行う試験を実施。