ＭＳ＆ＡＤインシュアランスグループホールディングス（ＭＳ＆ＡＤＨＤ）は８月９日、２０１７年度第１四半期決算を発表した。連結経常収益は前年同期比７．２％増の１兆４８０９億円で、損保の正味収入保険料は、海外保険子会社で円高により減収となったものの、火災保険や自賠責保険などの増収により、同１．２％増収の９５５２億円となった。生保では、生命保険料は同１８．４％減の２４７２億円で、グロス収入保険料は、三井住友海上プライマリー生命の変額保険の減収を主因に、同７．３％減収して３３１５億円だった。経常利益は、国内損保・国内生保の増益により、同１５３．１％増益して１２４５億円、四半期純利益も、同１４０．９％増益の９１６億円となった。

　国内損保事業の主要２社の業績をみると、保険引受利益は三井住友海上が同１６１億円増益の３２０億円、あいおいニッセイ同和損保が同７１億円増益の１５９億円で、２社合計は同２３２億円増益の４７９億円だった。
　正味収入保険料は、火災保険と自賠責保険の増収を主因に、２社合計で２６０億円増収の６８９２億円となった。このうち、三井住友海上は同１４３億円増収の３７７０億円、あいおいニッセイ同和損保は同１１７億円増収の３１２２億円だった。
　三井住友海上の正味収入保険料を種目別にみると、火災は同１８．２％増の４３３億円、傷害は同３．０％増の３９９億円、自動車は同１．０％増の１６９２億円、自賠責は同１１．３％増の４６２億円、その他は同１．５％増の６３１億円と前年度実績を上回った。一方、海上は同４．６％減収して１５１億円だった。
　正味支払保険金は同７１億円増の１９１５億円。家計地震・自賠責を除いた正味損害率は同１．０ポイント上昇し、５３．６％、正味事業費率は同０．９ポイント低下の３３．０％だった。コンバインド・レシオは同０．１ポイント上昇して８６．６％となった。
　あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料を種目別にみると、火災が同２４．４％増の４０２億円、海上が同４６．７％増の１８億円、自賠責が同９．９％増の４１９億円と前年度実績を上回ったが、傷害は同０．７％減の１６６億円、自動車は同０．１％減の１７６７億円、その他も同０．４％減の３４６億円と前年度に比べ減収した。
　正味支払保険金は同２億円増加して１４９４億円だった。家計地震・自賠責を除く正味損害率は同０．５ポイント低下の４９．３％、正味事業費率は同０．７ポイント低下し、３５．０％。コンバインド・レシオは同１．２ポイント低下の８４．３％だった。
　国内損保事業の主要２社の資産運用・その他収支は、有価証券売却益の増加を主因に同２８１億円増の７０９億円となった。三井住友海上は同２９８億円増の５５８億円、あいおいニッセイ同和損保は同１７億円減の１５０億円だった。２社合計の経常利益は１１８８億円で同５１４億円の増益。このうち、三井住友海上は同４６０億円増の８７８億円、あいおいニッセイ同和損保は同５４億円増の３０９億円だった。２社合計の四半期純利益は同４０７億円増益の８９１億円。三井住友海上は同３４４億円増の６６６億円、あいおいニッセイ同和損保は同６３億円増の２２４億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が前事業年度末比４１．５ポイント上昇の６９９．４％、あいおいニッセイ同和損保が同２９．９ポイント上昇の８８１．５％。
　国内生保事業では、三井住友海上あいおい生命は、新契約高（個人合計）が新商品を発売した収入保障保険の大幅な増加を主因に、前年同期比２７．１％増の６２９８億円となったが、新契約年換算保険料は同１４．５％減の８４億円、このうち第三分野は同９．６％減の３０億円と前年度実績を下回った。保有契約高（個人合計）は同０．５％増の２３兆３２１０億円。保有契約年換算保険料は同０．４％増の４０２８億円で、このうち第三分野は同１．９％増の９０１億円だった。
　保険料（グロス収入保険料）は同４５億円増加して１１８２億円。経常利益は同７億円増の４９億円、四半期純利益は同６億円増益の２４億円となった。基礎利益は同１１億円減益の３８億円だった。
　三井住友海上プライマリー生命の新契約高（個人合計）は同８．７％減の２１３１億円、保有契約高（個人合計）は同３．２％増の５兆８６２０億円だった。
　保険料（グロス収入保険料）は変額保険の減少を主因に同１２．６％減収して２１３３億円だった。経常利益は同１９７億円増の５３億円、四半期純利益は同２１億円減益の３４億円となった。
　海外保険子会社業績については、正味収入保険料が現地通貨ベースで７．０％増収したものの、円高の影響で同５．６％減収の２５５２億円となった。四半期純利益は、ＭＳ　Ａｍｌｉｎにおけるインカードロスの増加などにより、同２５億円減益の４９億円となった。