2017.07.06 チャブ保険「サイバープロ」国内発売、情報管理全般対象に

 Chubb損害保険株式会社(チャブ保険)はこのほど、サイバーリスクについて、漏えいだけでなく情報管理全般を補償対象としたサイバー保険「Cyber Pro(サイバープロ)」の国内での販売を開始した。世界で15年以上、サイバー保険を引き受けてきた経験と豊富なデータを生かし、サイバーリスクへの「最適解」を提供していく方針だ。

 チャブ保険が「サイバープロ」を発売するのは、日本の市場環境で、グローバルに対応できるサイバー保険のニーズが高まったとの判断に基づく。
 世界各国で個人情報保護規定が制定される中、日本でも5月30日に、12年ぶりに改正された個人情報保護法が全面施行された。さらに、EU一般データ保護規則(GDPR)の適用が2018年に開始されるという状況を前にして、企業が経営を存続するためには、各国の法規制に即した行政対応も避けることができない。企業には、システム改善や防止策だけでなく、あらゆるリスクに備えることが求められている。
 「サイバープロ」は、グローバルでのサイバー事故に対応する保険で、複雑化した情報管理やサイバーリスク全般、行政調査も補償対象としている。
 厳格な個人情報の取り扱いが求められる時代のニーズに合わせ、情報漏えい時の初期対応や損害賠償請求に対する補償リスクだけでなく、個人情報の取得方法や第三者提供に過誤があった場合の損害賠償請求も補償する。
 自社ネットワークに侵入したウイルスを第三者に拡散してしまうなど、サイバー攻撃を受けた結果として提起される損害賠償請求リスクの他、急拡大しているランサムウエアなどによりサイバー恐喝を受けた際、対策を専門家に相談する費用等も補償。
 自社ウェブサイトが改ざんされたり、データが破壊されてしまうなどの攻撃を受けた際、データを復元させるために要する費用やサイバー攻撃などで事業が中断した場合の逸失利益などもカバーする。
 オプションとして自社ウェブサイト上のコンテンツが著作権、商標権等の知的財産権を侵害しているとして提起される損害賠償請求リスクも補償対象となる。
 補償内容は、①情報管理(賠償金、争訟費用、対応費用)②不正アクセス/ウイルス(賠償金、争訟費用、対応費用)③行政調査(対応費用)④事業中断(逸失利益、営業継続費用)⑤ミス・プログラムエラー/停電・過電流(逸失利益、営業継続費用)⑥サイバー恐喝(対策相談費用)⑦著作権、商標権、人格権に関する自社コンテンツ賠償オプション(賠償金、争訟費用、危機広報費用)。
 なお、「サイバープロ」では、事象に応じて専門家を紹介するとともに、事故調査や事故対応のプロバイダーである米クロフォード・アンド・カンパニーとグローバルで提携し、きめ細かな事故初期対応サービスを提供していくことを予定している。