2017.05.31 住友生命 2016年度決算、新契約年換算保険料が大幅な伸び

 住友生命が5月25日に発表した2016年度決算によると、連結保険料等収入は前年度比13.6%増の3兆4588億円で増収となった。グループ基礎利益は同7.8%増の3330億円で増益を確保した。グループの新契約年換算保険料(合算値)は同82.3%増の3164億円、保有契約年換算保険料(合算値)は前年度末比6%増の2兆7394億円だった。

 住友生命単体の新契約年換算保険料は、平準払いの個人年金保険の販売増加等により、前年比49.5%増の2529億円と大幅な伸びを示した。15年9月に発売した就労不能保障「1UP」の効果もあり、第三分野も前年比6%増の424億円と堅調に推移した。
 保有契約年換算保険料は、平準払いの個人年金保険の販売増加等によって、前年度末比6%増の2兆3253億円となった。このうち、第三分野は同2.5%増の5326億円。13月目保険契約継続率(営業職員)は同0.4ポイント上昇し、96.4%、25月目が同0.2ポイント上昇し、92%となった。ブランド戦略や、営業職員のレベルアップを目的に展開している「四半期採用・育成運営」の効果等で向上を続けている。解約・失効年換算保険料は、前年度比20.5%改善し、687億円となった。
 保険料等収入は、新契約年換算保険料と同様に平準払いの個人年金保険の販売増加等を主因に、同9.7%増の3兆3154億円となった。基礎利益は、同9.6%増の3376億円だった。変額年金保険に係る標準責任準備金等の影響を除いた実質的な基礎利益は、同3.5%増の3359億円となり、共に3000億円を上回る水準で堅調に推移している。
 利息および配当金等収入は、外国債券の積み増しによる利息収入の増加や米国シメトラ社の配当等により、同3.6%増の5888億円となった。順ざやは同340億円増加し、567億円となった。
 内部留保は、前年度末比1887億円を積み増し、残高は1兆6170億円。ソルベンシー・マージン比率は同8.5ポイント低下し、826.9%となった。その他有価証券評価差額金が減少したものの、内部留保の積み増し等の財務基盤の強化などにより引き続き十分な水準を維持した。
 メディケア生命とシメトラ社を合算した住友生命グループのEEV(ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー)は、新契約獲得や保有契約からの収益の確保などの保険事業の成果に加え、金利上昇等によるプラスの影響により、前年度末比5872億円増の3兆5238億円となった。
 16年度決算案に基づく社員配当金は、個人保険・個人年金保険で死差配当(長期継続配当を含む)を増配、利差配当を減配。団体保険は据え置く。団体年金保険は所定の算出方法に基づき配当を割当て、確定給付企業年金保険(02)等、新企業年金保険は予定利率1.25%(解約控除あり)、0.75%共に責任準備金に対して0.09%を配当、拠出型企業年金保険(02)は予定利率1.25%の責任準備金に対し0.14%を配当する。
 住友生命の17年度の業績見通しは、保険料等収入で減少、保有契約年換算保険料で増加、保有契約高で減少を見込む。
 「1UP」は発売開始以来、販売累計55万件を突破し、顧客層の拡大に貢献している。特に、30歳未満の若年層に対する販売が好調で全体の業績を押し上げている。17年度からは、「プライムフィット」などを発売して「1UP」のバリエーションを増やしており、今後もさらに力を入れていく考え。
 金融機関等・代理店チャネルについては、富裕層および中高齢者層をメーンターゲットとする一時払終身保険に加え、若年層や資産形成層など、顧客層の拡大に向けて平準払商品の販売に注力。低金利環境を踏まえ、多様化する顧客ニーズへの対応等の観点から、平準払商品への取り組みを強化する金融機関等が増加し、広範な販売ネットワークを構築するなど、着実に成長している。円金利が低い水準で推移している経済環境下でも、多くの顧客に「一生涯の死亡保障」に加え「外貨による資産形成機能」を提供できるよう外貨建商品を三井住友銀行で4月から販売開始した。