2017.05.24 MS&ADHD 17年3月期決算、MS Amlinの新規連結効果で増収

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(MS&ADHD)が5月19日に発表した2017年3月期決算によると、連結経常収益は前年度比6.4%増の5兆3352億円で、このうち正味収入保険料は、MS Amlinの新規連結効果により同10.7%増収となる3兆4069億円だった。生命保険料は三井住友海上プライマリー生命における前年度の新商品効果による増収の反動などから、同7.6%減の1兆2531億円となった。経常利益は、国内損保の増益を主因に同20.9%増の3526億円。当期純利益は同15.9%増の2104億円で過去最高益を5期連続で更新した。

 国内損保事業の主要2社の業績をみると、保険引受利益は三井住友海上が同626億円増益の817億円、あいおいニッセイ同和損保が同146億円増益の395億円で、2社合計は同773億円増益の1213億円だった。
 正味収入保険料は、前年度の火災保険商品改定前の駆け込みの反動減を主因に、2社合計で292億円減収の2兆6702億円となった。三井住友海上は同377億円減収の1兆4696億円、あいおいニッセイ同和損保は同84億円増収の1兆2005億円だった。
 三井住友海上の正味収入保険料を種目別にみると、傷害保険は同1.8%増の1435億円、自動車保険は同1.3%増の6541億円、その他が同7.9%増の2425億円と前年度実績を上回った一方、火災保険は同24.2%減の1838億円、海上保険は同12.4%減の586億円と前年度比マイナスとなった。
 正味支払保険金は同105億円増の8114億円だった。家計地震・自賠責を除いた正味損害率は同2ポイント上昇し、58%、正味事業費率は同0.1ポイント上昇の33.2%となった。コンバインド・レシオは91.2%で同2.1ポイント上昇した。
 あいおいニッセイ同和損保の正味収入保険料を種目別にみると、火災保険が同8.7%減の1530億円、海上保険が同5.2%減の54億円、傷害保険が同3.4%減の614億円と前年度実績を下回ったものの、自動車保険が同1.3%増の6804億円、その他が同16.7%増の1313億円と前年度比プラスで推移した。
 正味支払保険金は同37億円増の6486億円だった。家計地震・自賠責を除く正味損害率は同0.5ポイント低下の55.6%、正味事業費率は同1.3ポイント低下し、35.2%となった。コンバインド・レシオは90.8%で同1.8ポイント改善した。
 国内損保事業の主要2社の資産運用・その他収支は、株式売却益の減少を主因に同162億円減少の1693億円となった。三井住友海上は同150億円減の1337億円、あいおいニッセイ同和損保は同12億円減の356億円だった。2社合計の経常利益は2907億円で同610億円の増益となった。三井住友海上は同476億円増の2155億円、あいおいニッセイ同和損保は同134億円増の751億円だった。当期純利益は同698億円増益の2149億円となった。三井住友海上は同505億円増の1645億円、あいおいニッセイ同和損保は同192億円増の503億円だった。ソルベンシー・マージン比率は三井住友海上が657.9%、あいおいニッセイ同和損保が851.6%。
 三井住友海上あいおい生命は新契約高がほぼ前期並みの2兆3771億円だった。新契約年換算保険料は同35億円増の517億円で、このうち第三分野は同17億円増の152億円となった。
 保有契約高は同6382億円増の23兆2142億円。保有契約年換算保険料は同252億円増の4010億円、このうち第三分野は同97億円増の884億円だった。
 保険料(グロス収入保険料)は同178億円増の4789億円、経常利益は同24億円減の161億円、当期純利益は同14億円減益の45億円となった。基礎利益は同8億円減益の186億円だった。
 三井住友海上プライマリー生命の新契約高は同2303億円減の1兆322億円、保有契約高は同7699億円増の5兆6807億円だった。保険料(グロス収入保険料)は前年度の新商品効果(外貨建変額保険)の反動を主因に同2283億円減収の1兆711億円となった。
 経常利益は同177億円増の576億円、当期純利益は同28億円増の207億円、基礎利益は同383億円増の526億円だった。
 海外保険子会社業績については、正味収入保険料がMS Amlinが加わり、6931億円に拡大。その他の海外保険子会社は、為替の影響で348億円の減収(為替影響:479億円減、現地通貨ベースでは3.9%増収)となった。当期純利益は、MS Amlinが新規連結となったものの、欧州・アジアにおける自然災害を含む保険事故の多発やOgdenレート引き下げの影響もあり、45億円減益の240億円(為替影響:14億円減)となった。
 17年度のグループ連結業績予想は、正味収入保険料で1.3%増の3兆4500億円、生命保険料で24.3%減の9490億円を見込む。経常利益は76億円減の3450億円、当期純利益は345億円増の2450億円となる見通し。
 海外保険子会社の正味収入保険料合計は1%増の7000億円、当期純利益は209億円増の450億円を見込む。
 国内損保は、ほぼ前期並みの水準。海外保険子会社は、MS Amlinを中心とした欧州での利益増加を見込む。