2017.05.11 日新火災、「労災あんしん保険」新規件数順調、使用者賠責特約 付帯率80%に

 日新火災が販売している「労災あんしん保険」(正式名称:業務災害総合保険)の新規販売件数が2700件、収保が6億6000万円(2017年1月から3月)となった。オプションの使用者賠責特約の付帯率は約25%から70%超に向上し、新規契約では80%に達している。

 同商品は従業員に業務上のけがや病気が発生した場合に事業者が負担する補償金や損害賠償金などの費用に対して保険金を支払う、いわゆる政府労災の上乗せ補償を主な目的とした商品。
 現在、うつ病、過労による精神障害や脳・心臓疾患などの労災請求件数が年々増加しており、事業者が損害賠償を請求されるケースが生じている。そのため、同社は昨年10月に従来商品「ろうむキーパー」(企業・事業者等包括付保契約特約付帯普通傷害保険)をリニューアル。「労災あんしん保険」では、損害賠償をカバーする「使用者賠償責任補償特約」の保険料を従来商品の同種の特約と比べ約74%引き下げ、三つのおすすめプラン全てにセットした。
 商品企画部企画グループ上野洋介担当課長は「事業者の安全配慮義務の強化により過重労働や精神疾患を原因とする訴訟が増加し、賠償額も高額化しているため、事業者に備えが必要だ。また、従来商品ではお客さまへの訴求力に課題があった保険料について、納得感のあるリーズナブルな水準とした。さらに、代理店さんや営業担当から要望の多い契約手続きや契約管理の簡素化を行った」と商品リニューアルまでの経緯を話す。
 同商品では、労働安全衛生法の改正に対応したストレスチェックなどの各種メンタルヘルス対策サービスもグループ会社を通じて提供しており、おすすめプランでは無料で利用可能だ。法改正に伴う新しいニーズに対応し、顧客の職場におけるメンタル面での労災発生を未然に防ぐ環境作りもサポートするストレスチェックサービスへの関心は高く、事業者からの問い合わせが多く寄せられているという。
 他にも専門のカウンセラーが電話相談に応じるメンタルケア・ホットライン、人事・労務担当者に対してメンタルヘルス不調者の職場復帰に向けた準備についてアドバイスを行う休業職場復帰サポートも無料で提供している。
 代理店からは「損害賠償をカバーする『使用者賠償責任補償』の必要性を前面に打ち出しており、提案先の事業者からの反応もよい」「システム・事務手続きが簡便で、商品の設計、提案がしやすくなった」といった声が寄せられている。
 上野担当課長は「労災上乗せの保険に加入していない事業者はまだまだ多い。労災事故に対する補償や賠償への備えは全ての事業者に必要であり、確実に提案し、より多くのお客さまの経営環境の安定化に寄与していきたい」としている。