2017.04.03 保険会社と銀行の連携が拡大、共同開発商品の販売が好調

 保険会社と銀行の連携が成果を生んでいる。りそなグループとネオファースト生命が共に開発に取り組んだ健康年齢に基づく医療保険「カラダ革命」は昨年12月1日の発売から今年3月末までりそなグループの銀行のみで販売。3月15日時点で1500件を超える契約が出ており快調だ。三井住友銀行と住友生命グループで協議を重ねて開発したメディケア生命の「メディフィットPlus」は、昨年11月28日から三井住友銀行で販売(1月26日から保険ショップや他金融機関に拡大)し、3月上旬で5000件を超えるヒット商品となっている。生命保険信託での連携なども新たな局面に入っている。
 「カラダ革命」(正式名称:無解約返戻金型7大生活習慣病入院一時給付保険)は、ネオファースト生命とりそなグループとの共同による女性プロジェクト(2015年12月スタート)が今までにない新しい商品・サービスの提供の実現を目指して取り組み、「健康の維持や増進のきっかけになるような商品にしたい」という方向性から誕生した。りそなグループでは「順調な滑り出し」としている。
 「メディフィットPlus」〔正式名称:特定疾病一時給付保険(無解約返戻金型)〕は、がん(上皮内がんを含む)をはじめとする八つの生活習慣病に罹患(りかん)し、所定の理由に該当した場合に、まとまった一時金を複数回受け取れる。
 両商品ともに共同開発先の銀行で先行発売しているのが特徴で、販売計画を視野に入れた商品開発も奏功している。
 生命保険信託では、ソニー生命が三井住友信託銀行と業務の代理に関する契約を締結し、今年2月20日から、ライフプランナー(営業社員)を通じて同行の生命保険信託・遺言信託・遺産整理業務の3商品について取り扱いを開始。すでに複数の相談案件があるという。同社のライフプランナーからは、「当社で取り扱う生命保険信託は、手数料が業界最低水準でもあり、多くのお客さまに対して説明しやすい」「今後ニーズが増えていく領域なので、自分たちライフプランナーも知識を付け、自信を持ってお客さまに提案したい」という声が出ており、同社では「相続に関するお客さまの要望に応えられる領域が広がった。充実したサービスを提供していく」としている。
 近年の銀行との連携を振り返ると、これまでに、第一生命では14年1月に、みずほ信託銀行と共同開発した生命保険信託「想いの定期便」の取り扱いを開始。いち早く10年に中央三井信託銀行(12年4月に三井住友信託銀行に改称)と生命保険業界で初めてとなる生生命保険信託を共同開発し、顧客に案内してきたプルデンシャル生命は、取り組みをさらに発展させて15年10月に100%子会社の信託会社設立に至っている。その後、機能の追加・拡充も行っている。
 一方、三井住友信託銀行は、13年に第一フロンティア生命、15年にはマニュライフ生命および三井住友海上プライマリー生命とラップ口座の機能を生かした保険を開発。さらに同行は、カーディフ損保と複数商品の開発を継続している。両社は、ラップ口座に健康リスクへの保障を付加する業界初のサービス「人生安心パッケージ」を13年4月にスタートして以降、「外貨革命・安心パッケージ」やNISA口座において交通事故傷害保険を無料で付帯する「お出かけ安心パッケージ」、ジュニアNISA口座での「わんぱく安心パッケージ」などを開発し、16年5月に「人生安心パッケージ」の保障サービスを拡充している。
 今後も、保険会社と銀行との連携による商品の拡販やサービスの拡大が見込まれる。