2017.03.03 第一生命 若年層向けアプローチが奏功、29歳以下の契約が伸展

 第一生命は、「U―29byブライトWay」で若年層の契約を伸ばしている。同社では2014年1月に14歳まで加入できる「ブライトWayジュニア」を、昨年10月に29歳以下を対象としたキャンペーン「U―29」を展開。販売好調が続いている29歳以下の契約の10月から12月までの3カ月間の実績は4万3468件(前年同期比106.1%)で、特に男性は2万614件(同108.6%)を記録。若年層がターゲットであることが明確に分かるような商品名にするとともに、20代のリスクに焦点を当てたCMの放映や動画配信なども奏功している。
 「ブライトWay」は、「アシストセブン」「インカムサポート」「保険料払込免除特約」などを付加した総合保障型保険。若年層からもこうした部分が好まれている。
 「アシストセブン」は、「3大疾病(がん、脳卒中、心筋梗塞)、身体障害状態、要介護状態、高度障害状態、死亡」の七つのリスクへの備えとして、「最高3000万円の一時金」の保障の準備が可能。「インカムサポート」では、七つのリスクのうち死亡以外のリスクに対して所定期間の年金を準備できる。死亡保障が必要でない若年層など向けには、インカムサポートで生前保障に特化した手軽なプランも用意している。
 また、女性の場合は、「レディエールモア」を付加すれば、乳がんや子宮がんなどの女性特有の疾病を原因とした手術への備えも万全だ。
 商品の認知拡大に当たっては、20代は「自分に保険は関係ない」と考えている人も多いため、商品説明から入るのではなく「20代のリスク」に焦点を当てたCMの制作を企画。若年層に人気のラップで表現することとした。CM制作担当者は「調査の結果、20代でも、健康診断で再検査の指摘を受けた経験のある人や、病気やけがによる入院経験がある人が予想以上に多いことが分かった。CMによって、『スマホの水没』など、誰もが『あるある!』と思うような身近なリスクと発生頻度を比較することで、自分の健康を意識してほしいと考えた」という。
 また、ラップを用いたCMは同社にとって冒険だったため、20代の若手社員を中心に数多くのヒアリングも実施。微修正を加えながら「20代向け」を打ち出して実際の放映にこぎ着けた。
 同社では、広報活動において若い社員の意見を反映するため、「メディアカフェ」の仕組みを本年度からスタートさせた。今回のCM作りでも、メディアカフェで出された考えを数多く取り入れている。業務部営業業務課の関戸彬仁課長補佐は「さまざまな部門のメンバーが集結することで、販売現場やお客さま目線も生かすことができる」と話す。
 主な販売チャネルは、「生涯設計デザイナー」と、第一生命ほけんショップの職員。若年層は、今後の人生が長くライフサイクルの変化も多い世代であることから、生涯設計デザイナーが契約後にしっかりと寄り添ってフォローしていくことにしている。
 関戸氏は「ウェブでのアピールに注力しており、20代のリスク調査の特設ページも設けている。また、スマホニュースの途中に同商品をアピールする入口(広告)を設けて、自然に誘導する流れをつくるなど『保険』を感じずに興味を持っていただく仕組みを複数用意した。若者の関心も確実に高まってきたことから、今後、さらなる拡販を目指す」としている。