2017.01.26 朝日生命、女性ブランド戦略進む、「やさしさプラス」浸透へ

 朝日生命では、女性ブランド戦略が進行している。「やさしさプラス」ブランドの確立を目指して、昨年10月1日の同名商品発売に先駆けて推進チームがスタートした。営業企画部の古賀麻耶女性ブランド戦略課長は「今年度はブランドの立ち上げに込める思いや背景を全職員が深く理解することに注力している。来年度は、その思いを全職員が体現し、お客さまに届けることでブランド・コンセプトを浸透させていく」と展望。15年4月からの中計「SHINKA(新化・進化・真価)~未来に挑む~(3カ年計画)」の柱としても順調なスタートを切った。
 ブランドのコンセプトは“女性の「私らしく輝いて生きる」を応援する”で、コンセプトに基づいて、女性のための保険「やさしさプラス」や同商品加入者のための健康相談サービス、「女性を支援する社会貢献活動」を一体で提供する。
 女性のための保険「やさしさプラス」は、必要な保障を必要なだけ自在に組み合わせることができ、加入後もライフステージの変化に合わせた見直しが可能。女性特定部位に対する手術を重点的に保障する特約「マイメディーナ」も設けている。
 ブランド推進は、古賀課長と構想段階からのメンバーである同部の三谷郁子副長他の計4人で担当。20歳~49歳の働く女性をコミュニケーションのメーンターゲットに据えている。三谷氏は「女性は、結婚、出産、育児、仕事上の変化、家族の転勤といったライフイベントにより受ける影響が大きい。生き方の選択肢が増えているからこそ、前向きに自分らしくありたいと考える女性の力になることを目指している」と話す。
 また同社では、販売チャネルの主軸である営業職員が日ごろの営業活動の中でブランド・コンセプトに込めた思いを顧客に伝えるとともに、さまざまな声を収集してブランドに反映させるために「やさしさの輪プロジェクト」を開始した。プロジェクトを推進していくための母体として「やさしさの輪会議」を設定。商品発売と同時に発足した同会議は、支社長をトップに、毎月営業所のオフィス・エキスパート(事務処理や、営業所内で可能な営業サポート業務を行う職制)が支社に集合し、ブランド・コンセプトを体現する活動について検討するというもの。また、地域による特性や顧客による違いなどを踏まえた独自案を現場の声として報告している。会議で検討した内容は営業所に持ち帰って営業職員にも伝え、全職員がコンセプトを顧客に届ける活動につなげている。
 一方、営業職員向けの研修は9月から継続的に実施している。「女性をめぐる状況(働く女性の増加、ライフコースの多様化、女性の保障ニーズの高まりなど)」を踏まえた「ブランド立ち上げの背景」を学ぶことからスタートし、さらに、営業職員経由で女性を対象にアンケートを実施するなど、消費者ニーズ把握の取り組みも徐々に広げている。
 また、社会貢献もブランドの思いを伝える活動の一つとの考えから、つらいがん治療を乗り越えるための「がんとつきあう」(リーフレット)、治療と仕事を両立するための「『がんと働く』リワークノート」(冊子)、治療の副作用による外見変化対策を紹介する「がん患者さんのための外見ケアBOOK」(冊子)などを提供している。自治体と連携して、乳がん検診の情報提供も行っている。
 古賀氏は「女性のためのブランドだが、つくり上げるまでには男性も含めて議論してきた。コンセプトに込めた思いをお客さまに届けるには時間がかかると思うが、まずはコンセプトを全職員に理解してもらい、その上で、女性へのアプローチ方法も拡大していきたい。地道に進めていく」と意欲を見せている。