2017.01.19 東京海上日動とコラントッテ、保険付身元照会サービスで提携

 医療機器メーカーの㈱コラントッテ(大阪府大阪市、小松克已社長)は東京海上日動と提携し、1月11日から、不測の災害、急病などによる救急搬送や、認知症による徘徊(はいかい)などが起こった際に身元照会が容易になるシステム「CSS(コラントッテ・セーフティ・システム)」と保険をセットにしたサービスを開始した。同日、東京海上日動本社で行われた新サービス発表会には、コラントッテの小松社長と東京海上日動の高野耕一常務が出席し、サービスの概要や提携の背景などを説明した。
 同サービスでは、加入者にコラントッテが製造した磁気ネックレスとペンダントトップを提供。ネックレスを身に着けた加入者が事故や急病などに遭った場合、発見者や駆け付けた警察、消防などは、ペンダントトップに刻印されたフリーダイヤル(CSS管理センター)に身元照会できる。24時間、365日体制のCSS管理センターは通報を受けるとすぐに、緊急連絡番号や勤務先、個人宅など最大5件の登録先に連絡する仕組みになっている。
 ネックレスのシリコンループ内には、希土類永久磁石が首回りに沿うように内蔵されており、血行改善やコリを緩和する効果がある。ペンダントトップは、キーリングタイプに付け替えて使うことができる。
同サービスには、東京海上日動が引き受ける交通事故傷害保険(死亡・後遺障害のみ最大100万円)と個人賠償責任保険(支払限度額3億円)が付帯される。サービス料金は、年額1万8000円(税別)、分割払いだと月額1500円(税別)になる。今後、9月までに10万件の加入を目指す。  
説明会で小松社長は、システム発案の経緯について説明。2014年5月に、行方不明になった認知症の老人が7年後に発見されたというニュースを見て「いたたまれなくなり、認知症による徘徊という社会問題の解決に協力できないかと考えた」と述べた。磁気ネックレスは健康器具であることから、認知症の老人でも身体から離さないことが期待できるとし、GPS機能や携帯電話といった電子技術を使わず、ペンダントトップにフリーダイヤルだけを記すことについては、「使いやすさ」「故障の心配がない」「個人情報の保護」などの利点を挙げた。また、今回の説明会の開催については「一人でも多くの人に知ってもらい、協力していただきたいと思った」と理由を明かした。
一方、高野常務は、今回の提携の経緯について「社会的課題を解決するためにCSSの開発・商品化に取り組むコラントッテの挑戦を保険商品の提供を通じてバックアップすることは、当社の経営理念に合致する」と説明。また、大阪に本社を置くコラントッテを支援することで、地方企業の東京進出や全国展開、関西経済の活性化にも貢献できるとの考えを示した。