2017.01.12 りそな銀行、平準払い商品の販売が過去最高

 りそな銀行は、平準払い商品の販売が好調だ。今年度上期の販売件数は1万4600件で、過去、一過性の理由で販売が増加した時期はあるものの、通常の販売では過去最高の実績を挙げている(15年上期8900件、同下期1万100件)。同社では「市場環境が厳しい中で、『保障ニーズ』の取り込みを図り、店頭や渉外でしっかり提案し結果が出た」としている。
 同社は、平準払い商品では、年金や介護保障(米ドル建て終身)に注力。医療・がん保険も約6000件(前年同期は3800件)と、リスクアプローチが奏功した。コンシューマービジネス部の吉岡史博グループリーダーは「備えるべき保障を提案する力がアップしてきた」と分析している。
 また、2016年3月に導入したタブレットによる「ペーパーレス保険申込システム」も販売をけん引する。入力画面は、保険会社ごとに異なる保険商品の申し込み手続きを共有化しており、保険申し込みの受け付け、金融機関側での承認、保険会社への申し込みデータ送付までの一連のプロセスを完結できる。同部の大賀智之担当マネージャーは「銀行で初めてタブレット申し込みを導入した。それによって、申し込み完了までにかかる平均時間が従来の45分から約20分になり、時間の短縮、コスト削減、不備の大幅削減が実現した」と話す。7月には全商品での利用が可能となり、新商品には随時対応する。
 一時払い商品については、円建て商品の販売停止や市場のリスクオフ傾向によって、外貨建て商品についても様子見する消費者が増加。そのため、上期の保険料は510億円と減少(15年上期1081億円、同下期870億円)した。今後は、本来の年金機能を重視した商品(16年7月に発売した第一フロンティア生命の通貨指定型個人年金保険「安心ながつづき」、同年9月に発売した通貨選択型特別終身保険「やさしさ、つなぐ」)などで、拡販に結び付けたい考えだ。
 また同社では、販売体制も強化している。ライフプランや資産背景、家族状況などをしっかり聞いて総合的な提案を行う「セールス革命」を打ち出しており、各店に1人のコンサルティング型営業推進リーダー(CL)を配置し、本部のサポート部隊であるコンサルティングアドバイザー(CA)10人が推進リーダーをサポートする。
 年中無休で金融商品の相談ができる「セブンデイズプラザ」などの拠点は、当初の想定通りに現役世代(資産形成層)の来店が約9割と、狙い通りの成果を出しており、今後ともターミナルを中心に拠点を拡充する予定だ。
 吉岡氏は、さらに「12月1日には、当社とネオファースト生命による『女性プロジェクト』が商品開発に関わった、健康なら保険料が下がるという新商品『健康革命』を発売し、業界内外から注目されている。これからは、顧客の細かなニーズに応じた商品のラインアップを増やしていきたい。また、本来の保険の機能である『保障』を軸にした提案も一層強化していく」としている。