2016.09.26 MRASがオリックス生命とライセンス契約、自動引受査定エンジン導入へ

 ミュンヘン再保険のグループ会社で、生保業界向けに自動引受査定ソリューションを提供するミューニックリーオートメーションソリューションズ(MRAS、本社=アイルランド・ダブリン)はこのほど、自動引受査定エンジンAllfinanz Intervuew Server(AIS)のライセンス契約を含む、必要な契約全てをオリックス生命と締結し、導入プロジェクトを開始した。併せてミュンヘン再保険日本支店(生命再保険)もAISに搭載される自動引受査定ルールの提供についての契約を締結し、オリックス生命の査定標準に合致するよう、共同でドリルダウン質問と査定結果に至るまでのルールを構築する。
 オリックス生命が開始したプロジェクトは、顧客に保険を提案する際に作成する設計書のデータを用いてペーパーレスで申し込み手続きを完了する仕組みを導入するもの。AISを採用することで、一連の手続きの中で被保険者が告知する健康状態に応じて追加の質問を展開し、販売の現場で一定程度の査定結果を提示することが可能になる。質問された内容に回答する形式のため、必要事項が不足することがなく、記載漏れによる追加の事務手続きの削減も期待できる。その結果、顧客の負荷も軽減できるという。
 告知内容に基づく自動査定結果が特別条件となってしまった場合は、その場で承諾できる方法と、後日あらためて紙の承諾書を提出する方法があり、顧客の要望に合わせた承諾方法を準備する。
 オリックス生命はAISに加えてAPIモジュールも購入。APIモジュールを使用することにより、AISに備わっている告知画面を使用せずに、オリックス生命独自の画面を構築する。同社では、マルチチャネル化推進のため、代理店チャネル、直販チャネル、ウェブダイレクトチャネルにこれらの機能の導入を計画しており、2017年中の本格稼働を目指す方針だ。
 MRASは1987年の設立以来、世界各国の主要な生保会社にAISや、新契約に係るデータ分析・レポーティング・ツール(Business Analytics)などの自動引受査定ソリューションを提供する、業界をリードするソフトウエア・プロバイダー。日本でも導入する企業が年々増加しており、生保会社の売上の向上や顧客獲得コストの削減に貢献している。同社は今年、創立30年を迎えるが、今後も日本市場を重視し、継続的な取り組みを推進していく考えだ。