2016.08.23 3メガ損保16年度第1四半期決算、2社が減益 熊本地震と為替が影響

 3メガ損保(東京海上HD、MS&ADHD、SOMPOHD)の2016年度第1四半期業績(16年4月1日~6月30日)が出そろった。それによると、連結業績は全社で経常収益が増加した一方、経常利益は2社で減益となった。各社の業績は、熊本地震を主因とする自然災害に係る支払いの増加と、為替変動による円高の影響を受けた。
 【東京海上HD】
 東京海上HDは経常収益で25.6%、経常利益で1.6%の増収。四半期純利益も8.7%の増益だった。経常利益・四半期純利益は、国内損保事業で自然災害の増加があったものの、東京海上日動での異常危険準備金繰入率の引き下げや有価証券売却益の増加などにより増益となった。
 正味収入保険料は、円高が進行する一方で米国HCCの新規PL連結を主因として増収。生命保険料も、国内生保事業での保有契約の拡大や変額年金の解約減少、HCCの新規PL連結などにより増収した。

 グループ全体の利益指標である修正純利益は、異常危険準備金の繰り入れやHCCののれんの償却負担などの影響を控除し、2.3%の増益となった。
 【MS&ADHD】
 MS&ADHDは経常収益が17.1%増収の一方、経常利益は62.5%の減益だった。四半期純利益も60.9%の減益。
 海外保険子会社の正味収入保険料が英国アムリンの新規連結効果により206.1%と大幅に増収し、結果、グループ連結ベースの正味収入保険料は23.3%増収。また、生命保険料も三井住友海上プライマリー生命での解約返戻金の減少を主因に44.2%増収し、経常収益を押し上げた。
 一方、経常利益については、熊本地震を主因とした国内損保の保険金支払いの増加、三井住友海上プライマリー生命での前年度のオーストラリア金利・為替変動による上振れの剥落、第三分野の保有移行に係るシステム関連費用などが影響し減益となった。
 【SOMPOHD】
 損保ジャパン日本興亜HDは経常収益が2.1%の増収。経常利益は16.4%の減益となった。四半期純利益は24.6%の減益。
 経常利益では、円高に伴う173億円の為替差損の影響が大きい。四半期純利益について同社は、通期業績予想対比の進捗(しんちょく)としてはおおむね予想通りとした。