2016.08.05 JA共済連 15年度決算説明会開催、総資産55兆8375億円に

 JA共済連(全国共済農業協同組合連合会)は7月28日、東京都港区のANAインターコンチネンタルホテル東京で2015年度決算説明会を開催した。同日午前中に行われた通常総代会で全議案が承認されたことを受けて実施したもの。勝瑞保代表理事理事長、柳井二三夫代表理事専務、髙荒栄一代表理事専務、助川龍二代表理事専務が登壇し、15年度の事業活動や、総資産が55兆8375億円となった決算概要について説明した。
 冒頭、勝瑞理事長があいさつし、「15年度の普及・推進活動では、地域密着の事業活動を展開するエリア戦略の完全導入に取り組んできた他、JA共済連では、JAの指導・サポート機能の強化のために経営の効率化と組織再編を含む連合会改革に取り組むとともに、JAの事務負荷の軽減と契約者・利用者サービスの向上を目指して仕組み、事務、電算システムの再構築を行ってきた。組合員、利用者の負託に応えていくため、今後もこれらの取り組みを着実に実践してきたい」と述べた。
 続いて、柳井専務が15年度の事業活動や決算の概要などについて解説。主要実施施策では①地域密着の事業推進②契約者・利用者満足度の向上③農協共済審議会答申の具体化に向けた連合会改革の実行④地域の活性化・農業者の所得増大などに向けた共済事業における取り組みの検討―の4点に分けて説明した。
 事業成績については、生命総合共済は186万3000件(対前年度比97.4%)、保障共済金額が7兆4495億円(同85.3%)、建物更生共済は89万6000件(同101.1%)、保障共済金額18兆3620億円(同91.8%)、自動車共済は838万9000件(100.3%)、共済掛金(連合会が収納した共済掛金)2830億円(同99.5%)になったと報告。また、生命総合共済・建物更生共済の保有契約高(保障共済金額)は273兆6710億円(同97.3%)となる一方、解約・失効率は生命共済3.11%(前年度は3.16%)、建物更生共済は3.93%(同3.71%)となった。共済金の支払いについては、事故共済金が9121億円(対前年度比94.4%)、満期共済金が2兆5111億円(同96.3%)となり、その結果、総額で3兆4233億円(同95.8%)を支払ったとし、「地域の組合員・利用者の生活の一助となった」と述べた。
 財産の概要では、総資産が55兆8375億円(対前年度比103.1%)、運用資産は53兆6233億円(同102.4%)となった他、将来生じ得る共済金などの支払いに備えて積み立てている責任準備金は49兆4823億円(同103.6%)だった。
 また、損益については、直接事業収益が5兆9499億円(同107.6%)、財産運用収益が1兆1607億円(同104.6%)、直接事業費用が4兆7931億円(同96.1%)となった結果、経常利益は2766億円(同114.6%)となり、当期剰余金は1304億円(同98.5%)となった。
 柳井専務は15年度決算の特徴として①将来に向けた事業展開に備えるための対応②契約者割戻しの引き上げ③会員配当金の増額―の3点を挙げた。
 最後に新任の髙荒専務と助川専務が今後の抱負を述べた。